先崎 「本質はやっぱり、序盤でしくじったので、終盤で猛烈な勝負手を、というところがつよいよね」 |
先崎 「あの言動どおりだったね(笑)。 とにかく叩き切っていくものね、基本的に」 |
羽生 「そうだね。 良くても叩き切るっていう棋風」 |
|
先崎 「その場で手を選ぶことが嫌いだった、・・・筋を通していくのが好きだったみたいですね」 |
先崎 「『作戦勝ち、優勢、叩き込み』が理想のような・・・」 |
羽生 「木村戦意外にもあった?」 |
先崎 「米長戦と大山戦などは、近いパターンで」 |
羽生 「あとは佐藤戦。やっぱり、☖3二金と上がって千日手にして、先手番で一方的に攻めていった」 |
先崎 「したたかでしょう(笑)」 |
羽生 「何ていうのか、出ているでしょう、感じが」 |
先崎 「これも生涯の会心作だね」 |
|
先崎 「平成10年の8月に亡くなったでしょう。 4月には大阪に帰って、入院したわけだ」 |
羽生 「4月に名人戦イベント(広島)で会って話をして、まさか亡くなるとは思わなかった」 |
先崎 「4月で8月だものね」 |
羽生 「入院していたということは後で分かったけど・・・」 |
先崎 「羽生さんに会ったんだ、と言っていたらしいよ」 |
|
先崎 「入院する前にこれだけの将棋が指せれば、体が健康ならオレが日本一だと思っていたよな」 |
羽生 「昇級も決めたところだったし」 |
先崎 「最後に5連勝ぐらいしたんでしょう」 |
羽生 「最後はすごい、あの体調でね。 すごい」 |
|
先崎 「しかし結構強かったね」 |
羽生 「それは強いでしょう(笑)。 面白い将棋が多いよね、見ていて」 |
先崎 「駒が前に行くから面白いよな」 |
羽生 「それに意表を突く手が必ず出てくるし」 |
先崎 「とにかく突き進むというか。 そういうところがね、目の敵にしていた佐藤君(一同笑)と同じようなところがあるんだけど」 |
|
「代役ができたかどうか分からない」と言う羽生さん。 |
「光栄なこと」だという先崎さん。 |
間違いなく、村山さんの将棋を解説するのには 最適のお二人です。 |
本当によい”名局譜”が出来上がりました。 |
|
|
<もくじ> |
|
まえがき |
|
第1局 |
羽生善治五段戦 ライバルとの初顔合わせ |
第2局 |
佐藤康光五段戦 千日手差し直しの大熱戦 |
第3局 |
大山康晴十五世名人戦 大名人に完勝 |
第4局 |
米長邦雄九段戦 タイトル初挑戦を決める |
第5局 |
谷川浩司王将戦 タイトル戦デビュー |
第6局 |
谷川浩司王将戦 順位戦で谷川を破る |
第7局 |
森下 卓八段戦 執念の逆転勝ち |
第8局 |
羽生善治名人戦 鬼手が炸裂 |
第9局 |
丸山忠久七段戦 秒読み、深夜の大激闘 |
第10局 |
木村一基四段戦 一点の曇りなき絶局 |
|
村山将棋の検討を終えて |
|
村山聖資料編 |
|
|
|
|
|
著者: 羽生善治・先崎学 |
|
写真: 中野英伴・弦巻勝・森信雄 |
|
2000/11/301 初版 |