3/23聖教俳壇。「吾輩は猫ではないが炬燵好き(東京都 菊池敏 坪内稔典選」他。


句友から昨日(3/23)の聖教俳壇をラインで送ってもらいました。


◎坪内稔典 選

★(特選)レバニラを食べてヘビメタ聴いて冬 (新潟県) 土沼広美 

 【評】レバニラとヘビメタが響き合っている。この二 つ、まったく無関係なものなのだが。その交響のおかしさが冬を楽しくさせる。私もレバニラを食べたくなっている。


★(特選)ふぞろいのリンゴが届く会津から (東京都) 佐古田伴子 

 【評】「会津から」という具体的な表現がいいなあ。「ふぞろい」、すなわち多様性の一つとして、リンゴのほかにたとえば白虎隊もあった。私は不揃いなアイヅミシラズ(柿)も大好き。


★ドロップス舌でころがす日向ぼこ (大分県) 首藤美代子

★吾輩は猫ではないが炬燵好き (東京都) 菊池 敏

★オミクロン誰も黙って冬の駅 (東京都) 根岸みち子

★函館や異人の墓石に降りし雪 (東京都) 石原真由美

★木のベンチ誰もが似合ふ冬うらら (大分県) 郡山ちほみ


◎田中亜美 選

★(特選)鯨屋で煮込みをつまむ友も五十 (和歌山県) 花阪幸一 

 【評】作者は五十歳。仕事に家庭に働き盛りの世代だからこそ共有できる話もあります。鯨屋の郷愁感が全国のオジサンを応援してくれているようです。


★(特選)あんまんの湯気立ちのぼり月光る(東京都)是川直美

 【評】あんまんは温かなスイーツの代表。立ちのぼる湯気と月の光で印象の鮮明な一句となりました。あんまんを買いに走りたくなります。作者は十歳。


★初夢や離陸知らせるアナウンス (東京都) 神山千賀子

★赤い目を雨が濡らした雪兎 (愛知県) 澤井 誠

★生のまま届く大蛸夕しぐれ (奈良県) 東滝康子

★ふふむ飴ミルクの味す冬日和 (佐賀県) 曽ノ木澄夫

★コロナ禍よ心優しき世に戻れ (兵庫県) 玉川朱美