「万引き家族」 | mot 映画レビュー

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評論家の批評や世間の評判に左右されない自分自身の素直な感想を飾らない言葉で書こうと思います。点数含め参考程度に読んでください。でも観た人にとってしっくりとハマる映画こそが、その人にとって"いい映画"だと思います。

「万引き家族」

監督:是枝裕和

出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優  ほか

(日本)

 

カンヌ映画祭パルムドール受賞おめでとうございます。

しかし、どこでどんな賞をとったとかを抜きにして観ても、自分にとってケチのつけようもないほど素晴らしい映画でした。

 

社会には人が暮らす上で正しいとされる線が引かれていますが、血の繋がった家族の大事さ、そうでない人との繋がりや絆、金で繋がり、欲や情で繋がり、でもそのどれも一括りにはできないほど人の感情は幾重にも重なっていて複雑。俯瞰した視点で見れば引かれた線にのっとってジャッジされ、それが社会のルールとして当然必要なことだけど、当人に寄れば寄るほど見方は変わり、個人個人それぞれの視点で見れば答えはさらに曖昧になってきます。

 

この映画も本当の家族とは何か、血の繋がりと血の繋がらない絆、そのどちらを肯定することもなくキレイごとに着地していない。

登場人物たち全員、良い一面もあれば引いちゃうほどダメなところが多々あって、まぁ誇張はしているものの人は誰しもそんな表と裏を持っているものでしょうね。

だからと言って犯罪を肯定していいわけじゃないし、この映画もそうじゃないのは結末が示していると思います。

 

そんな彼らであってもひとつ屋根の下寄り添って、花火があがる夜空を見上げるシーンなんて本当に愛おしい。

 

最後に、子役をはじめとしたすべての主演者全員が素晴らしかったです。

特に安藤サクラ・・・なんてことでしょう。

 

 

満足度 10/10