宇宙怪獣 エレキング | 怪獣玩具に魅せられて

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『ウルトラセブン』第3話、「湖のひみつ」に登場。セブンの怪獣の中で最も強烈な印象を与える宇宙怪獣エレキングの紹介です。
 
本当に、なんじゃこりゃ!? なデザイン。ウルトラマンからの系譜とはまた違った、地球上の生物にない雰囲気と造形。デザインはやはり、成田亨氏。
 
 
横から見た図。
尻尾の長さも忠実に表現。この長い尻尾で相手を拘束し、放電によるダメージを与える。
 
 

前から見た図。

縦長のシルエット、特徴的すぎる頭部、鱗等がなく滑らかな肌に走る黒い亀裂状の模様……かなりの情報量ではありますが、それを一つの怪獣の中で纏め上げているのは見事としか言いようがない。今となっちゃ、このエレキング以外にエレキングの正解が思いつかない(意味不)
 
 

頭部のアップ。

三日月型の角。回転することでアンテナ的なイメージを持つ。ここだけ硬質な黒なのも、宇宙怪獣っぽくて良い。同じ宇宙怪獣でも、ベムラーとは違ったSF感ですね。
 
 
ソフビは口の中まで丁寧に再現。角も向きをあえて揃えないことで、動的に見せている。ちなみに固定されていて、回すことはできません。
 
 
 

背中。

長い尻尾が特徴的。
明らかに何か吹きかけました! っていう背中の黒も、嫌いじゃないです(笑)
 
 
 

上から見てみた。

こうして見るとエレキングって造形的な情報量は控えめな分、色の塗り分けによる情報量が多いのね。額部分に一本黒線が入るとか、鼻部分だけ黒いとか、胴体のデザインは言わずもがな。
 

 

その胴体。渋いっ。
手を猫ちゃんポーズにしてのビリビリ攻撃が可愛いエレキング。ポ○モンの◯カチュウはエレキングから影響を受けているのではなかろうが。
 
このソフビ、可動部がすごく特徴的で、まず首と股関節は動かない。肩の部分と尻尾の付け根、そして
 
膝小僧の下が動く。
従来のソフビとはかなり違う可動の仕方で、股割りしたような足の位置は固定なんですね。これよりも前、それこそ初期中の初期のエレキングは、ゴモラやレッドキング同様、股関節のところで動いていた。造形的な再現度を高めるために、可動を犠牲にしたんでしょうか。その分、間違いなく再現度とクオリティは高くなっているので、クレバーな選択だったのかなと思います。
 
長い尻尾。
湖を上から撮ったショットで、エレキングが体をのけぞらせながら吠えるところがありましたね。あの画のインパクトは中々に大きかった。
 
 
体色は、白地に黒。
物語の後半では諸事情で黄色くなっていきましたが、このソフビはじめ、最近のエレキングは白地に黒が主流ですね。僕も最初はエレキングって白いイメージがあったので、白地に黒のこのエレキングは、逆に新鮮味を持った記憶があります。
 
 
 
ACTのセブンと並べて。
ちょうど良いくらいの背丈。エレキングのソフビの完成度が高いので、ACTと絡めても違和感ありません。
 
 
まぁ、ACTでとんでもねえクオリティのエレキングが出てるけどな!
 
 
 
実は最初に製作、セブン初の怪獣、カプセル怪獣初登場回、ウルトラアイを盗まれる初お約束などなど、『湖のひみつ』はセブンの諸要素が凝縮されている。
このソフビで良いなと思うのは、リアルはリアルでも着ぐるみ的なリアリティに富んでいるところ。エレキングの着ぐるみの、ちょっとぶかっとしたところなんかも、ばっちり再現してある。こういう、単に怪獣としてのデザインに忠実なんじゃなくて、着ぐるみとしての背景や事情が伺える細かいところまで作り込んであるソフビは、やっぱり特別な意味を持ちます。今となっちゃ当たり前すぎて、続々出てくる新怪獣の影に隠れがちですが、このエレキングのデザインはやっぱり秀逸! ウルトラシリーズを代表する宇宙怪獣の地位は、伊達じゃない!