豪華なモーニング・鶉粥(うずらがゆ)~瓢亭別館/京都 | こなもんや三度笠

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   京都・瓢亭(ひょうてい)は、創業400年。ミシュラン三つ星の名門老舗料亭です。
一般ピープルの華麗麺麭(カレーパン)には、とても高い敷居。でも、この瓢亭の別館で提供されるモーニングなら何とかなるかも・・・。
 
意を決して最も贅沢な朝食「鶉粥(うずらがゆ)」(11月~3月)を頂くことにしました。
3日前から腸炎を起こし、まともな食事をしなかった華麗麺麭にとって〝鶉粥〟は、皮肉ですが、ある意味最適メニュー。にひひ
 
いざ決戦の朝、京都駅に降り立った華麗麺麭の体調は万全になっていました。気合で治した腸炎。
駅前で、同行者とレンタサイクルを借りると、颯爽と冷たい風を切って鴨川に沿って北上。
三条通りを右折し、桜の開花にちょっと早い冬の残る京都の仕舞た屋の街並みを縫って南禅寺に接近。
予定通り、10時ちょっと前に目的の〝瓢亭別館〟に到着。
 
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あ~、ここが憧れの瓢亭か・・・。
自転車を玄関の中に特別に置かせて頂きました。
瓢亭に自転車で来る客は、きっといませんね。にひひ
 
 
 
 身のこなしの美しい花番さんのご案内で清楚なお庭の見える席に案内された連れとふたり。緊張で、背筋がピンと伸びます。
 
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 席につくと直ぐに出て来たのが、下のお盆。
〝八寸〟と〝三つ重ね鉢〟です。
 
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八寸には、当店名物の〝瓢亭玉子〟がちょこんと鎮座まします。
〝瓢亭玉子〟は、〝煮抜き玉子〟。ラーメンのトッピングにお馴染みの半熟の〝煮玉子〟です。
何故、この〝瓢亭玉子〟が名物かと言うと、この玉子の評判が元治元年(1864年)刊行の〝花洛名勝図会〟に掲載されているからです。花洛名勝図会は当時の旅行ガイドブック。現代の〝るるぶ〟みたいな冊子です。
そこに、こう書いてあります。
 
瓢亭の煮抜玉子は近世の奇製なりとて、ここの酒客あまねくこれを食悦す(瓢亭のゆでたまごは、近頃珍しい美味といわれ、訪れる客は酒の肴に好んで食べる)
 
どうですか 只者の煮玉子じゃないでしょ!!
八寸には、瓢亭玉子の他に、鯛の押し寿司、シラウオの酢漬け、空豆が載っています。
 
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〝三つ重ね鉢〟には、何が入ってるんだろう!?
〝一帯〟という文字。いったいなんなのだろう!? にひひ
 
 瓢箪の形をした三ツ重ね鉢には「一帯青松路不迷」と書いています。
「南禅寺参道の松林の一本道を行けば路に迷うことがない」と儒学者〝頼山陽〟の詩の一節。
昔の〝るるぶ〟に、瓢亭は〝南禅寺総門外松林茶店〟と紹介されています。つまり、当初は、料理屋ではなく茶店だったのです。その茶店が、〝煮抜き玉子〟で評判となり後に料理屋となりました。
 
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八寸を左上に置き、〝三つ重ね鉢〟を並べてみました。
 
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 一番下は、〝炊き合わせ〟
 
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中段は、〝白身魚の蒸し物〟
 
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上段は〝おてっぱい〟。正式名は、〝鉄砲和え〟。〝ぬたあえ〟のことです。
 
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〝白味噌汁〟。瓢亭ご自慢の京都白味噌の汁。
京都に来たぞ~って感じが最もする逸品。濃厚で甘みの強い京都の白味噌仕立てです。
 
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いょっ~!!待ってましたあ。!!
と連れのかけ声が聴こえた気が・・・。
〝鶉(うずら)粥〟の登場です。
 
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〝朝粥〟が有名な〝瓢亭〟の冬期(11月~3月)の限定メニューです。
〝鶉粥〟は正式には〝粥〟ではありません。〝雑炊(ぞうすい)〟です。
〝粥〟と〝雑炊〟は似てますが別物です。
米に水を多めに加えて茹でて作るのが〝粥〟。ご飯に具の入ったつゆ等を入れて柔らかく茹でるのが〝雑炊〟です。
 
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〝鶉粥〟は、その名の通り、鶉の肉が細切れになって入っています。
粥に比べて、それ自体で濃厚な味がします。
 
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お行儀が悪いですが、お茶碗に香の物と 薬味代わりのシラスを放り込んで食べました。
 
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 さすが名店〝瓢亭〟のモーニング。
美味しいと言葉だけで表現しては申し訳ないほど美味しい。
 
今度、夜にもお邪魔したいなあ。貯金しよっと・・・。
ふと、振り返ると、壁に掛かった〝瓢箪〟が、〝また、おこしやす〟と・・・。
 
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