「春興鏡獅子」@国立劇場 | 油絵で歌舞伎! KABUKI OIL PAINTING

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絵師のはしくれ、西本竜雲のブログです。自分で描いた歌舞伎役者絵をこちらでご紹介させていただきます。ほぼ毎日歌舞伎関連のことを綴ってます♪★励ましのお便り、歌舞伎の役者絵(油絵)のご依頼等はryuun . kabuki . pictures@gmail . com まで♪←スペースなしで

こんばんは、夜中の竜雲ですラブラブ 

私が歌舞伎の油絵を描き始めた頃、一番描きたいモチーフは「獅子」でした。獅子の絵なら何枚でも描けるなって思ったものです(笑)でも、歌舞伎を観始めて4年目に入る今まで、実際の獅子を拝見する機会がなかったんです。(予定が合わなかったりで)

それが、この秋 国立劇場で市川染五郎さんの「春興鏡獅子」で初めて獅子を見ることができたのでしたー音譜
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「春興鏡獅子」自体も、私は拝見するの初めてでした。

「小姓 弥生が「お鏡曳き」という正月七日の催し物で、お殿様に所望されて、恥ずかしそうに江戸城大奥で踊り始める。踊り始めた弥生が飾られていた獅子頭を手に取ると、獅子の精に体を乗っ取られて、しまいには獅子の姿になっての踊りを見せる」というお話は知ってました。

で、実際に拝見してみて思ったのは、この演目は前シテと呼ばれる小姓 弥生の踊りのパートがほとんど大半なんですね!!40分くらい弥生の踊りなんだそうで。 

染五郎さんが書かれた「染五郎の超訳的歌舞伎」の本によると、弥生の衣装は重く、かつらも文金高島田という重いものなんだそうで・・・!美しく見える弥生の踊りは実はとっても大変なんだそう。

さらに踊りの種類も、手踊り、茶袱紗、塗り扇、二枚扇と・・・次から次へと超難関の踊りのオンパレードです!特に二枚扇は難しいのですってね。何十年も女形をお勤めのベテランの役者さんにとっても難しいものだと存じております。女形さんにとっての最難関演目である「春興鏡獅子」を、普段はぱりっと立役の染五郎さんが勤められるということで、初めて染五郎さんの女形を拝見することになったのでした。

この舞台で大きなチャレンジをされていることが伝わりましたし、人が挑んでいる姿というものはかっこいいものだなぁ、とも思いました!! 

弥生という小姓は、「二枚扇になってからは男でも女でもなく踊れ」と言われたと、筋書に書かれておりました。なるほど、拝見していても、可愛らしい小姓さんのように見えるかと思えば、若殿様のように見えたりと
、動きは男とも女ともつかぬ感じがして、不思議な演目だと思いました目 

誠心誠意こめて踊ってらっしゃる心意気が、染五郎さんのブログからもわかるので、どうぞご贔屓の皆様、歌舞伎ファンの皆様、応援に駆け付けて差し上げてくださいませ!

獅子になってからは、発している気が鋭く素晴らしく、本物の獅子ってこんなにかっこいいもので、気合いを白い毛の先まで満ちさせるようなものなんだ、と思いました。やはり普段が立役の方なので、獅子の方が自然に馴染んでらっしゃる感じです。

この演目は、私は女形のための演目だと思っておりました。
普段綺麗な女形さんが、荒々しい獅子の役を勤めるところに意味があるのかと思っておりました。
そう、「紅葉狩」などと同じような感じかと・・・。

でも、そうではないのだなと思いました。
この演目は立役にとっても、女形にとっても最難関。

きっとこの演目を勤めるということは、これまでの歌舞伎役者さんにとっても大きなチャレンジだったのでしょうね。高麗屋の若旦那も、今月は大きなチャレンジなのですね。
でも、私は先月の「陰陽師」でも、今月の舞台でも、染五郎さんが高麗屋の若旦那で良かったと思います。
決して出過ぎることがなく、それでいてきちんとご自分の色を持っていらっしゃいますから。いい役者さんです。

そして一緒に出ているちょうちょ胡蝶の精の松本金太郎くんと、市川團子くんちょうちょ
金太郎くんのお顔立ちの綺麗なこと・・・キラッ お化粧をしたお顔はクールビューティーな感じです。
こんなに綺麗な顔立ちの子役さんはなかなかいない、と拝見するたびに思うのです!
今、舞台で拝見することができる子役さんの中で一番綺麗な顔立ちでしょうね~。

それから團子くんは、丸顔で愛嬌のある感じですね。ちょっとおしゃまな雰囲気なのは、猿翁さんのお血筋だからでしょうか。金太郎くんと並ぶと、團子くんのほうが頭ひとつくらい背が高いのですね。

二人で仲良く胡蝶を勤めたい、と金太郎くんの言葉が筋書に載ってました。
團子くんにとっては「ヤマトタケル」のワカタケルに続いて2つ目の舞台。高麗屋さんにも可愛がられて、本当に良かった、團子くん♪

この團子くんの後見を、澤瀉屋の猿四郎さんがお勤めだったみたいなんですよね。私は3階席でオペラグラスで弥生と獅子と胡蝶を追うのに必死で、後見さんチェックを忘れておりましたあせる今度観に行った時にはちゃんと拝見しようと思います。この猿四郎さん、やはり猿翁さんからの信頼も並々ならぬご様子。お孫さんの團子くんの後見さんですものね。

しかし「春興鏡獅子」、獅子のあの素晴らしい毛振りの横で、胡蝶がひらひらしているもんなんですか?
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毛振りのところでは「胡蝶はひたすらひらひらしているなぁ」と思って、なんかちょっとシュールな感じだと思ってしまったんですが、胡蝶の精と遊ぶ獅子っていう感じなのかなぁ。

最後のところは獅子に大きな拍手を贈るばかりで、胡蝶の精のことはそっちのけになってしまった私で御座いましたあせる(金太郎くん、團子くん、最後ばかりはごめんなさい!)

高麗屋の若旦那の大きなチャレンジ、そして素晴らしかった舞台に歌舞伎の明るい未来を感じることができました。場内は割れんばかりの拍手でした!! そういう舞台は、いいですねニコニコ

これなら歌舞伎は大丈夫だな、と思えました。見終わってからテンション上がってしまってアップアップ

そういえば、ハート我が君 門之助さんハートのお父様(先代=七代目の門之助さん)も、「春興鏡獅子」をお勤めになられたことがあるんですよね!どんな舞台だったのだろう。その時の映像とか残っていないのだろうか。いや、見たことある方がいらしたらぜひお話を伺いたい!

いや。むしろ門之助さんがこの演目をお勤めのところを見てみたい! 

歌舞伎舞踊は色々ありますが、この「春興鏡獅子」は、日本舞踊の素養のない素人目の私にも「これはものすごい難しい踊りだ」と、拝見するだけでひしひしと感じるわけなので御座います。特に前シテの弥生。

歌舞伎ドラマ??の「ぴんとこな」でも「春興鏡獅子」という演目は出てきたわけですが、獅子の毛振りだけでしたね。女形舞踊でも最難関の弥生のところは出てくるわけないか(;^_^A 

チケットがお安く、そして幸い近場に住んでいるので、国立劇場には今月また行くと思います。
歌舞伎の明るい未来を感じられる、本当に良い舞台です歌舞伎隈取キラッ

皆様もぜひ~キラッ
 
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