中林竹洞(なかばやしちくとう Chikutou Nakabayashi)
安永7年―嘉永6年
浮世絵および肉筆画を描くにあたっての下絵だと思われます。
下絵が現存するというのも、なかなか珍しいと思います。
これを描いた作者は、落款(朱印)から察するに
江戸時代後期の巨匠・中林竹洞。
描かれている人物は「好色一代男」で著名な
江戸時代の浮世草子・人形浄瑠璃作家、井原西鶴と伝わっています。
ちなみに左側が、井原西鶴の肖像とされるものです。
う~ん、似ているような似ていないような・・・
落款部分です。
右側は遊子館 刊「日本書画 落款大事典」から参考資料として抜粋。
形的には同じ印章なのですが、
参考資料に比べ、大きさがひとまわり小さくなっています。
これは、中林竹洞が同じ形状の印で大きさの異なるものを所持し
使用していたということなのか、
それとも第三者による偽印なのか中々判別することができません。
なので、下絵ということでは珍しい作品ではありますが
作者に関しては「伝・中林竹洞」としてあるのです。
ひと言コメント
果たしてこの作品は「玉」なのか「石」なのか?
私の所有するもうひとつの中林竹洞の画
「中林竹洞 不二之図:掛軸」はこちらからご覧下さい。