20年前の
2000年4月21日〜5月21日に
京都文化博物館で開催された
特別展

平成十二年度
京都文化博物館特別展
文化財保護法五十年記念


季節を祝う

『京の五節句』展
をご存知でしょうか?

 
「五節句」とは
・元旦(1月1日)
・上巳(3月3日)
・端午(5月5日)
・七夕(7月7日)
・重陽(9月9日)
の五つの節日のこと。


 
「五節句」の中で第五部は
乞巧奠「七夕」の展示。

◆乞巧奠
7月7日の七夕は
牽牛と織女の星まつり。
 
中国の七夕行事が日本に伝わり
平安時代には宮中の清涼殿で
梶の葉に願いを込め、
技芸の上達を祈って
「乞巧奠」が行われていた。
 
現在では冷泉家が
継承されている。
 
その他 
◯花扇
◯七夕の立花
◯梶鞠
 
宮中と貴族が中心だった
「七夕」の行事は
江戸時代になると庶民に広がり、
子ども達が祭の主役になる。


前回のブログでお話した
七夕の紙衣「京の七夕さん」は
寺子屋の子ども達が作ったもの。

石沢誠司先生の呼び掛けで
情報提供された4名の方々が
所蔵されていた紙衣
30数点が展示された。
 
図録のP.144〜146に掲載。




もう一つ、ご紹介したいのは
『梶の葉の飾り』

写真は復元された
「梶の葉飾り」

梶の葉は墨ののりがよく、
昔は短冊のように文字が書かれていた。



京都国立博物館所蔵の
江戸時代の帷子の模様に
笹と梶の葉の飾りが見られる。

この「梶の葉の七夕飾り」を
寺子屋の子ども達が
鴨川の橋に運ぶ様子を
描かれた資料がある。
 
『京の五節句』展図録
141ページと
 
石沢誠司先生の著書
『七夕の紙衣と人形』
34ページに紹介されている。

梶の葉の形の灯籠を笹に付け
梶の葉の飾りと
小さい鬼灯提灯をいくつも
吊るした竹笹飾りを持って
鴨川の橋に集う子ども達。

天明7年刊・1787
「拾遺都名所図会」



この絵を元に復元された
七夕飾りは
「五節句展」終了後の夏、
京都文化博物館1階
「ろうじ」で展示されていました。

笹竹の下の方に
2本の竹が横に渡されて、
三角と長方形に折った紙を
被せた「梶の葉の飾り」が
見えるでしょうか?



江戸時代の京都の七夕で
子ども達により作られていた
「紙衣」と「梶の葉」

京都市が主催する
【京の七夕】なら
伝統を伝える役目もあるはず。


京都の産業振興も大切でしょうが、
伝統の七夕飾りを
忘れないで欲しい!
 
七夕の紙衣「京の七夕さん」と
「梶の葉の飾り」は
 
京都文化博物館1階
【楽紙館】
販売されている。