竹麦魚/魴鮄 (ホウボウ Chelidonichthys spinosus) カサゴ目コチ亜目ホウボウ科
移動時に底を這うように横鰭を広げて泳ぐ様が風変わりな外見の魚 コチ亜目だけあり白身できめ細かい繊維がとても上品な旨さを堪能させてくれます 頭が大きく尾に行くにしたがい細くなる円錐形の体型
胸鰭は半円形で大きく 翼の様に水平方向に広がります 体色は鮮やかな青緑で青の縁取りと斑点に彩られています 胸鰭一番下の軟条3対は赤く遊離して太く発達しており これを脚の様に動かして海底を“這う”事ができるため 「方々」歩き回るところからホウボウの名前になったと言われています
北海道以南日本各地で水揚げされますが 関西では以外に知る人の少ない秋の旬魚
江戸時代には その非常に上質の白身が“君の魚”と云われ上流階級の食べ食材と決められていました また“お食い初めの魚”でも有名でした 暖海域に多く沿岸魚で入荷量の希少な魚介でしたが 近年温暖化のため入荷量が増えるとともに庶民的な価格になり現在に至ります
造りの可食率はその体形から察するに良くありませんが 割鮮は美味 塩で頂けます
塩焼きも繊細な食味で魚好きの方にお勧めですが 一番は何といっても煮付け コチ類の魚介はアラ部から出る旨味が特徴で 荒炊きにしても全て美味しく頂けます