高崎市立桜山小学校を見学 | 建築家長沼幸充ブログ

高崎市立桜山小学校を見学

建築家フォーラム企画の「高崎市立桜山小学校」見学会に参加してきました。
設計は、古谷誠章氏です。

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グラウンドを敷地北側に取り、南側に2階建ての校舎が建ちます。
上下階がジグザグになってずれており、そのズレが1階ではピロティになっています。

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校舎は直線ではなく曲がっており、その間には中庭が設えられています。
教室が外気に面しやすく、プランにも迷路性が生まれます。
ちなみに1階には市民開放しやすいように図書室などの特別教室、
2階に普通教室が並ぶ平面計画です。

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中庭にあるスロープ。

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校舎南側。
敷地南側には川が流れ、その南には住宅地が広がります。
一般的には敷地南側にグラウンドを配置することが多いですが、
本計画では校舎が建っています。

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体育館外観。
2階レベルで飛び出したコンクリート製の庇が、高さを抑えた印象を与えます。

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体育館内部。
上部スリットからの光が、印象的です。

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今回の見学会は、前橋の大学生と合同で行われ、
中央には設計者である古谷先生が説明しておられました。

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音楽室の前は、広いホールになっており、もう1つの教室のよう。
音楽活動が盛んな学校のため、このような作りになったとか。

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2階普通教室がある部分の廊下。
といってもオープンルーム方式のため、教室と廊下は家具で仕切られただけ。
天井は木製の薄い板をルーバー状に張っています。
その奥の屋根下には吸音材を貼り付けて、オープンルームで気になる隣りの教室の
音を出来るだけ抑える工夫がされています。

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廊下の天井高さは、2,400mm。
とても落ち着く高さですが、公共建築では少し低いかなとも。
教室の天井高さは、2,700mmです。

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中央のメイン階段。
どちらからでも行き来できる設計です。

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階段下。
階段蹴込み部分に小さな穴が空いており、それが階段下に少しでも明るさを確保しようと
している工夫です。

全体の印象として、白~グレー~黒とモノトーンでまとめられた色彩計画ですが、
とても明るく柔らかい雰囲気でした。
ジグザグに曲がった平面計画も、内部にいろんな景色を持つ場所を作り出しており、
子供たちそれぞれの気に入った場所を見つけられそうな、楽しい場所になりそうです。