右京区の清涼寺で行われた嵯峨大念仏狂言(これより「嵯峨狂言」と記す)で「橋弁慶」を鑑賞したので、この狂言について少し記すことにする。
京都には俗に三大狂言と称せられる壬生狂言、閻魔堂狂言、そして嵯峨狂言がある。いずれも大念仏にともなった乱行念仏がしだいに芸能化していったものである。この三者の演出は各々異なるが、この嵯峨狂言は無声で全員が面をつける。
嵯峨狂言で実施されている演目は20曲であるが、番組の編成はヤワラカモンとカタモンがほぼ交互に演じられている。ヤワラカモンとは狂言仕立ての曲、カタモンは能楽系の曲をいうが、すべての演目はこのどちらかである。
嵯峨狂言の「橋弁慶」は能楽系なので、通行人を斬っているのは牛若丸である。牛若丸が三人程の通行人を切り捨てた後、弁慶と戦う。弁慶は薙刀をたたき落とされ、その後、両人は刀で争うが、弁慶は力つき降伏するという、大変平易で単純な内容である。
この「橋弁慶」のほか源平合戦に関わる演目には、「熊坂」、「船弁慶」及び「大仏供養」がある。
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