こんにちは
あきです
すっかり空が高くなりましたね〜
日中暑くなることもあるけれど 爽やかな暑さ
体調もいいみたいです^_^
前回のイタリアブログにて
アレッツォの祭壇画について
祭壇画はどこにどのように飾られているかが
重要と書きましたが
今回はヴェネチアでそのことを感じた一枚の絵
ヴェネチアのサンマルコ広場の向かいの島の
サンジョルジョマジョーレ教会にある
ティントレットの最後の晩餐です
この独特な斜めに配された机
単にドラマティックな効果を狙おうとしただけではなさそうです
こちらがサンジョルジョマジョーレ教会
16世紀 ヴェネチアやパドヴァからほど近い
ヴィツェンツァで活躍した建築家アンドレア・パラーディオの建築です
二重の三角の破風とダブルの柱で構成されたファサード
ギリシャ・ローマ風でありながら装飾的
マニエリスムの影響です
最後の晩餐は祭壇に向かって右側に
こんな風に飾られているのです
因みに反対側には
旧約聖書の「マナの収集」の場面
やはり構図が斜めになっています
マニエリスムの特徴の一つ
短縮法という遠近法を用いているということなのですが…
ところで
マナの収集は最後の晩餐とワンセット
マナの収集は
モーゼが民衆を引き連れてカナンに導いている途中飢餓に襲われ
民衆がモーゼに不満を持ち始めたところ
神がマナ(蜜の味のおせんべいのようなもの)を降らせた
民衆はこれを集めて飢えをしのいだ
とされる旧約聖書の一場面ですが
新約聖書の最後の晩餐はその予型とされています
(旧約聖書のエピソードが新約聖書のそれを予告するものと考える)
同じように
キリストの洗礼もノアの箱舟のエピソードの予型と考えられています
お水をザブンと被るので
モーゼの出エジプトはキリストのエジプトへの逃避の予型なんだとか
キリスト教の考え方って面白いですよね
ティントレットの最後の晩餐に話を戻しまして
先程の最後の晩餐の絵を
座席から見ると
見事に机に向かって平行な視線で絵を眺められるのです
もう一度
あらら不思議
私達がキリストと向かい合っているかのように
見えるんですよ
マナの収集は
逆に更に奥行き深く見えるのです
こんな風にティントレットは
座席から見たらどのように見えるのか
ということを
短縮遠近法を利用して最大限絵の効果を狙おうとしたのだということが
実際に体験することで
より良く理解することができましたし
何より面白かったのでちょっと書いてみました^_^
こちらの教会の鐘楼は上ることができます
有料ですが
でもその価値ありました
本島から本土の山々
そしてアドリア海に向かって広がる島々までの見渡せるのです
風は超強い〜
真下にはマリーナが^_^
クルーズ気持ちいいだろうな〜〜
パノラマ写真なので
歪んでますが
感じは伝えられたかな?
より詳しい情報が欲しい方にこんなサービスまでありました^_^
ティントレットの作品は
ヴェネチアにたーっくさんあります
それは裏を返すと
ヴェネチアでないと見られない…
ということらしいのです
サンマルコ広場から歩いて歩いて
たどり着いた
サンロッコ同心会館
こちらの二階の絵は殆どがティントレットの大作ばかりという素晴らしさですが
マニエリスム!
ゴルゴタの丘
大天使ガブリエルだけでなく
ちっちゃな天使も沢山舞ってます〜
二階への階段の天井画
二階は壁一面、天井一面ティントレット
旧約聖書の一場面
岩から水を湧き出させるモーゼ
マナの収集
おせんべい降ってます
ゲッセマネの祈り
有名どころだけをピックアップしてみましたが
まだまだたくさんありました
こうして改めて見てみると
ルーベンス に繋がっていくような躍動感
極端な短縮遠近法
カラヴァッジョ的な光の明暗の効果的な使い方
ほとんどヴェネチアを出ず
ヴェネチアのために創作活動をした画家ですが
バロックへの過渡期的な画家なのかもしれないと
感じました
ちょっと行きにくくて日本人はもちろん他の観光客も少ないところですが
その分ゆったりじっくり見ることが出来ます
おすすめです
イタリア旅、なんだか全然終わりませんが…
ゆっくり自分のペースでいきますね
というか
旅ブログになっていきそうな
最近のライフスタイル
お付き合いいただきありがとうございます(^-^)