作品の狂言回し・伝説の小泉さんストーカーであり、そしてこの作品随一の「」とも言える大澤悠、彼女が熱烈かつ執拗に小泉さんにアプローチし、冷たくあしらわれる様は、小泉さんの一風変わったキャラクター、「人類よりも麺類」というスタンスを際立たせる印象的な場面であり、そして、本作品の一種の様式美と言ってもいいのではないでしょうか。

(自信満々な誤読)


↓↓ラーメン大好き小泉さん紹介↓↓

ラーメン大好き小泉さん


↓↓鳴見なる作品紹介

鳴見なる作品紹介等


また、大澤悠が浮かべる悲しみや落胆の表情は、非常に胸踊るものがあります。執拗かつ悪辣なストーカー行為の報いでもあり、ある種のカタルシスを覚える方もおられるのではないでしょうか。

言い過ぎですねごめんなさい。

大澤悠ファンの皆さんごめんなさい。

」とかって冗談です。私だってホントは大澤悠のこと大好きなんです。好きでもなきゃワザワザ大澤悠のことシリーズ化して書きません。好きの反対はキライじゃなくって無関心と言いますから。でも「小泉さん」の登場キャラクターで一番心惹かれるのは小泉さんでも大澤悠でもなく、他の同級生キャラ2人でもなく大澤絢音さんだったりします。セクシーとか一緒に飲んで楽しそうとかそーゆーのでなくて何気に一番業が深そうだからなんですが。どうでもいいですねそんなことごめんなさい。


さて、何故に大澤悠がかくも冷遇されるか?についてですが、小泉さんと大澤悠とでは対人関係のスタンスが全く異なること、そして、大澤悠の一方的なコミュニケーションの癖が大きな要因なのではないか?と考えます。

てな訳で、これから大澤悠が小泉さんから冷遇される事例について紹介するとともに、何でこんなことになっとゃうんだろ?ってことについて考察してみたいと思います。



二杯目での冷遇事例

今回取り上げるのは1巻第2話、二杯目での学食における冷遇事例について紹介します。


1 小泉さんが学食の入り口で何かを見つめています。そこへ大澤悠が高橋潤、中村美沙とやって来ます。大澤悠が小泉さんに声を掛け、そして「何見てんの?」と問い掛けると、小泉さんは何も言わずに逃げて行ってしまいます。大澤悠は「一緒にラーメン食べたいのにつれないな」と嘆息します。

[考察等]

小泉さん的には「一杯目」にて、おそらく時間にしては1時間ほど大澤悠に付きまとわれたのが余程嫌だったのでしょう。無言で一目散に逃亡なんてよっぽどです。そして何も察しない大澤悠もある意味天晴れです。


2 食堂にて、ラーメンを食べている小泉さんのところに「隣いいかな?」と大澤悠がやって来ます。小泉さんは「またあなたですか」と表情を変えずに言い、そして「勝手にすれば良いと思います。別に私の家ではないので」と答えます。大澤悠は喜び勇んで「そうさせて頂きます!」と小泉さんの隣に座ります。

[考察]

小泉さんの塩対応は中々強烈です。貴方には一切興味ありませんとのメッセージをバリバリに発しています。好きでもなく、そして嫌いでもない、貴方には一切興味無いってやつです。愛情の対局にあるのは憎しみでなく無関心!ってのを地でいく塩対応のお手本みたいな奴です。

しかし空気読まない大澤悠、流石です。拒否られないのをいいことに隣に座ります。普通ならばこんなスーパー塩対応されちゃったら、いかに超絶美少女と言えども愛想ゼロというより最早マイナスの小泉さんの前から居た堪れずに去って行き、涙の味がスパイスとなってしまった熊本ラーメンを一人啜ることとなるのでしょう。

空気を読まずに相手の反応から好意的と思える要素だけ抽出して突撃的に行動するヤバい人・大澤悠の本領発揮とも言えるでしょう。空気を読まず猪突猛進!って言えば…あの作品あの人を思い浮かべます。

(あの作品のあの人)


3 大澤悠は「馬油」を「うまあぶら」と二度も誤読する。挙句、「豚と馬との奇跡のコラボレーション」などと聞くに耐えかねぬことすら口走る。耐えかねた小泉さんは氷のような冷たい眼差しで「〝うまあぶら″でなく〝まーゆ″と読みます」と教え、そしてついつい九州のラーメンのルーツなどについて話し始める。

[考察]

大澤悠の空気の読めなさと突っ走り癖がいい感じで炸裂しています。連続誤読と知ったかな態度、小泉さんとしても限界だったのでしょう。なんかもう、汚いものでも見るような冷ややかな目つきです。でも小泉さんって絶対にキレたりしないですよね。冷ややかな態度はバリバリ示しますが。

しかし、何かの化学変化が生じてしまい、ついつい小泉さんは九州のラーメンの解説を始めてしまいます。そして始まったからには中々止まりません。スイッチが入ってしまったようです。大澤悠、狂言回しの本領発揮です。いい仕事していますd(^_^o)


4 小泉さんは九州のラーメンの説明を淡々と続けるも、はっと我に返り、席を立つ。大澤悠が小泉さんが話していたラーメン屋さんに一緒に行きたいと言うも、小泉さんは「嫌です」と冷たく言い放つ。

大澤悠は「なんか今日、結構しゃべれたんじゃない!?やったー」と目をキラキラさせながら親指を立てる。

[考察]

作中を通じて時折見られる小泉さんの謎行動が初登場です。

小泉さんは、ラーメンに関しちゃんとした質問を受けたら、それに対しては普通に答えます。高橋潤との会話において、その傾向は強いのでしょう。

しかしながら、大澤悠と話しているうちについつい熱く語ってしまった後は、焦り気味でそそくさとその場を立ち去ります。詳細な考察はいずれかの機会に述べさせて頂く予定ですが、小泉さん的には、小泉さん自身に興味を抱く大澤悠のアプローチは苦手なのだと思われます。何故苦手か?についてですが、大澤悠との関わりにおいては、感情を波立たせられる可能性があるからではないか、と考えます。


さて、大澤悠についてです。小泉さんに「嫌です」とバッサリ断られたにも関わらず、またもポジティブシンキングです。目をキラキラさせながら、「なんか今日、結構しゃべれたんじゃない!?やったー」と喜んでいます。一杯目のラストと同じパターンです。

(衝撃の一杯目ラスト)

外界から取り入れる情報に対し、ポジティブなものしか通過させない変な認知のフィルターがかかっているのでしょう。まぁ、そのくらいでないと小泉さんと付き合ってらんないのかもしれませんが。



小泉さんと大澤悠、2人とも「空気」なるものへのアプローチが普通の人とは変わっているのでしょう。

大澤悠は、こと小泉さんに関しては、決定的に空気が読めないのでしょう。そして、小泉さんに関しては、一切空気を読もうとしない、読む気が皆無なのでしょう。

空気が読めない大澤悠と空気を読まない小泉さん、2人は果たして何処へ辿り着くのでしょうか?



以上、「冷遇される大澤悠」第2回目でした。

最後まで読んで頂きありがとうございました。













作者、「ラーメン大好き小泉さん」では人間ドラマ書かないって言ってますけど、バリバリ面倒くさい人物設定かましてます(~_~;)。「渡くん」と比べて動的じゃないってだけじゃん!って感じします。