『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』(2010年) | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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ちょうど一昨年(2010年)の7月7日の七夕の日に、鑑賞して来ました、映画『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』を、再度、DVDにて再鑑賞し直しましたので、ご紹介致します。

「マイノリティへのララバイ(10.7/7・劇場&DVD)」
ジャンル:バイオレンス
製作年/国:2010年/日本
配給:東映ビデオ
時間:90分+映像特典15分
公式サイト:
http://www.sentoshojo.jp/
公開日:2010年5月22日(土)
監督:坂口拓、井口昇、西村喜廣
出演:
杉本有美、高山侑子、森田涼花、坂口拓、島津健太郎、亜紗美、川合千春、いとうまい子、津田寛治、竹中直人


R15

戦闘少女・チラシ

戦闘少女・ポスター2


一昨年(2010年)の7月7日の七夕の日に、京都市内の単館系映画館にて、『戦闘中年・血の監督伝説』という企画にて、あの<大人計画>の井口昇監督の『魔悪子が来る!!』と、特殊メイク監督として名高い西村喜廣監督の『限界人口係数』(1995年)との未ソフト化作品の短編2本立てと、本作品を鑑賞。

今回、番外編の<スピンオフムービー>の『YOSHIE ZERO-戦闘少女外伝-』を観たさに、改めて、DVDソフトを購入をしまして、再度、鑑賞をし直しました。

戦闘少女・ポスター



率直な感想と致しましては、
DVDで、再見しても、劇場公開時には、限りなくR18に近い指定の作品ということで、夜間のみの興行となっていた、いわく付きの作品でも有り、また、今回のソフト化に当たっても、R-15指定の作品だけ有って、<血ドッバ~!!>系の超過激なスプラッター映画でしたし、ひと言で簡潔に言えば、オタク系のアイドルのガールズ・アクション映画。

『チャーリーズ・エンジェル』×『X-MEN』の様な<和製アイドル・ミュータント・アクション・ムービー>とでも呼べば良い様な映画でしたね。

戦闘少女・凜



また、特に、本作品の特徴は、『片腕マシンガール』、『ロボゲイシャ』を監督し世界からも注目を集める、劇団・<大人計画>の井口昇監督。
そして、数々の作品で特殊造型を担当しながらも、自身の監督作『東京残酷警察』が海外からも評判を呼んだ西村喜廣監督。
更には、『魁!男塾』で自ら主演・監督・脚本を手掛けたマルチな和製アクション映画の第1人者の坂口拓監督。

以上の3人のクリエーターが、ここに集結し、共同監督として、全3章(覚醒・革命・反逆)を1つの物語として構築している、オムニバスでも無い、全く新しいスタイルの映画でした。

普通、こういったスタイルでは映画は製作し辛いものかと思うのですが、それぞれのウマが合うのかも知れないですが、坂口拓監督(第1章・覚醒)、井口昇監督(第2章・革命)、西村喜廣監督(第3章・反逆)が各々の各章を担当しながらも、各監督の得意分野を活かして、巧く全3章がストーリー展開的にも構築されているから不思議でしたね。

差し詰め、井口昇監督曰く、「ゲッターロボの様に、陸・海・空の3体のロボットが上手く<合体>した様な映画」。
まさしく、その様な映画でしたね。

それに致しましても、
スプラッター映画ということで、それこそ<血がドバドバ-ッ!>系の映画ですが、特殊造型担当の西村喜廣監督には悪いのですが、その血糊が(あえてなのか?)、どことなく嘘くさいので、スプラッター映画が苦手な私でも観れちゃうような映画でしたね。

また、ミュータント一族の<ヒルコ>と人間の混血児の主人公・凜役の杉本有美さん。また、共に戦う、ヒルコの仲間で、凜の教育係でも有る、美しき少女の玲役の高山侑子さん。そして、コスプレ・ナース姿のヒルコの仲間で、可愛い少女・佳恵役の森田涼花さん。
彼女達が、すこぶる可愛くて格好良いところからも、この映画は、深読みせずに、一見致しますと、あの懐かしい、往年の南野陽子さんの<二代目スケバン刑事>の鉄仮面や、<三代目スケバン刑事>の風間三姉妹を彷彿させるオマージュ的な側面も有る、単なる和製アイドル・アクション映画の様でも有ります。

戦闘少女・OP3人戦闘少女・OP3人日の丸




しかしながらも、あの<大人計画>の、井口昇監督が、主に、原案を手掛けて全体の軸となるドラマパートをも担当されたそうですが、この映画の本来的に述べたいことは、ミュータント一族<ヒルコ>という名を借りた、所謂、<マイノリティによる叫び>であり、<マイノリティへのララバイ(子守歌)>的な映画だと勝手に推察していましたが、今回、DVDソフトの映像特典にて、<スペシャルスピンオフムービー>の『YOSHIE ZERO-戦闘少女外伝-』をも鑑賞致しまして、その中でも、<マイノリティ>へのイジメという形で、台詞の中でも、その<マイノリティ>という主題が明らかにされていましたので、あながち、私が勝手に、深読みし過ぎて曲解していたのでも無かったと、少々安心致しました次第です。

やはり、日本からの海外進出展開を視野に入れているのか、『ロボゲイシャ』の様に、冒頭から血糊で描かれた日の丸の国旗や、天狗のお面の特殊部隊に、鳥居に、大仏、グリコの看板、仮面ライダー型ベルト爆弾に、最後には、故・手塚治虫先生も真っ青になられたであろう、<鉄○ア○ム>を模した最終兵器まで、日本の誇るサブ・カルチャーのアイテムがギッシリ詰まった、てんこ盛りの映画でした。
それに、何故だか<カツ丼>(笑)。

坂口拓さん演じる、ミュータント一族の<ヒルコ>を戦闘部隊の少女隊として、軍団化して率いる<キサラギ>は、やはり、『キューティー・ハニー』の<如月ハニー>からの命名なのでしょうか??

井口昇監督作品では、今や常連の竹中直人さんのみならず、いとうまい子さん。津田寛治さんまで出演するという豪華キャスト陣も彩りを添えてくれている逸品。

私的な評価ですが、
劇場鑑賞時のファースト・インプレッションは、★★★☆(70点)くらいでしたが、今回、再度、改めて、DVDソフトの鑑賞を致しまして、映像特典にて、その中の<スペシャルスピンオフムービー>の『YOSHIE ZERO-戦闘少女外伝-』をも鑑賞致しまして、この映画の述べたい主題が解りましたのも有り、ちょっと評価を上げて★★★★(80点)の高評価の作品に格上げさせて頂きました。

戦闘少女・スピンオフ



※DVDの映像特典の、佳恵役の森田涼花さん主演の、<スペシャルスピンオフムービー>の『YOSHIE ZERO-戦闘少女外伝-』(約15分)もなかなか面白かったです。
相変わらす、井口昇監督は、少女のオナラネタが好きなのが良く解るスピンオフ・ムービーでもありましたね。

お勧め作品です。



●映画『戦闘少女 血の鉄仮面伝説』予告編

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