10年以上前に朝日新聞が昭和で思い浮かぶ人物はというアンケートを行っている。

その結果で一位は昭和天皇、二位は田中角栄、三位に美空ひばりとあった。

この結果は納得できるように思える。

 

今年の初め美空ひばりの暮らした自宅が売りに出されたという記事が目に止まった。

美空ひばりの暮らした自宅は目黒区青葉台にあり、ひばり御殿といわれた。

そのひばり御殿は現在美空ひばり記念館として一部が一般に公開されているということであった。

予約制になっていて、ネットで日時を決めて予約する。

関心がったので予約してみた。

予約しその日時に直接現地に向かう。

私が訪れたのは1月の中旬の午後であった。

 

中目黒駅から向かった。

ちょうどこのあたりは目黒川の桜で有名なところ。

その目黒川から住宅街に入り、坂を上ったところに美空ひばりの住んだ自宅がある。

ここがひばり御殿である。

 

この坂は通称ひばり坂ともいわれた。

 

周りは閑静な住宅街で、向かいにはエジプト大使館があり、坂を上ったところは代官山周辺。

 

ここが美空ひばり記念館の入り口。

 

美空ひばりの言葉が書かれている。

 

中に入ってみた。

受付で入館料1500円を払う。

 

ここは美空ひばりのCDやグッズが展示販売されている。

 

 

この時間の見学は私ひとりであった。

もう一人予約されていたようだがキャンセルされたようだ。

自由に見学できるわけではない。

まずここで映像を見たり、美空ひばり記念館についての説明を受ける。

その後案内の人についていく。

ここには三名の女性が案内の仕事をしている。

その三名は美空ひばりのお世話を実際にしていた方たちである。

 

最初に案内されたのはガレージ。

ここには美空ひばりの愛車キャデラックが当時のまま置かれている。

これから見学するところはひばりが暮らしていた当時のままであるという。

 

その後庭に向かう。

ここには大きな桜の木がある。

まだ桜の咲く前であった。

美空ひばりは花が好きであったという。

ここで花を眺めるのを楽しみにしていたそうだ。

この桜も美空ひばりが見ていたころはまだ小さい木であっただろう。

 

 

中には入れないが応接間にあるピアノ。

 

 

和室に案内された。

ここはひばりが多くの人を招いて語り合ったところでという。

 

ここでお茶を頂く。

お茶と一緒に出されたのはすいとん。

ひばりが好んで食べていたという。

素朴なものが好きであったようだ。

実際かつての付き人であった方が作られたもの。ひばりが食べたものと同じ味。

 

 

隣に仏間があり仏壇がある。仏壇にお参りした。

仏壇は撮影できないが立派な仏壇であった。

仏間には人から贈られたものなどが展示されたいる。

中でも目を引くのは国民栄誉賞。

 

この国民栄誉賞はひばりの死後与えられた。

歌手としては初で女性としても初の受賞であった。

 

約1時間私ひとりで見学し、かつての付き人の方からもじっくり話を伺うこともできた。

ひばり御殿を独占したようであった。

 

田中角栄の目白の自宅は目白御殿といわれた。

ここ青葉台のひばりの自宅はひばり御殿といわれた。

初めて訪れて実感はそれほど大屋敷といわれるほどでもないと思った、立派な門があり、その奥に屋敷があり、うっそうと木が茂る庭があり池があるといったイメージではなかった。

 

夕日に照らされるひばり御殿。

 

子供のころに芸能界入りし、まさに芸一筋に生き、昭和の歌姫といわれ、また女王、お嬢といわれたその生涯はわずか52年の短いものであった。

昭和を代表する人物と誰もが認める一方、影を引きずっていた人生でもあった。

 

美空ひばりに関する本を読んでみた。

 

改めて美空ひばりのすごさを実感するとともに、昭和の芸能界の一面をひばりの人生が物語っているように思えた。

 

現在美空ひばり記念館は改装のため5月下旬まで閉館しているようだ。


新たな情報

美空ひばり記念館は2020年7月9日に再開された。見学のシステムも変わり、予約は必要なく、入館料も無料。

ただし、和室でのお茶のもてなしはなくなったようである。