【日本の野鳥#22-08】キタタキ(White-bellied Woodpecker) | 鳥好きFPのつれづれ日記2

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自然ものの写真をご紹介していきます。
野鳥が中心ですが、風景や草花、動物、きのこたちも登場します

記事の前半は「よもやま話」
記事の後半に「自然ものの写真」をご紹介です。

キツツキ目キツツキ科クマゲラ属
学名 Dryocopus javensis
和名 キタタキ
英名 White-bellied Woodpecker

【分布】
インドの南端部の西ガーツ山脈からミャンマー・タイ・マレーシア・インドネシア・ボルネオ・中国・フィリピン・ボルネオ・朝鮮半島、東南アジアの島々の常緑樹林に生息。

日本の対馬にも生息していたが絶滅(1920年を最後に確認されていない)。

東洋区系の鳥。朝鮮半島、対馬は本種の生息域としてはかなり北に孤立。

 

亜種は14ないし15に分けられる。

Dryocopus javensis javensis - 基亜種 タイ南部・ボルネオ島に生息

Dryocopus javensis parvus -シムル島(スマトラ島西沖)に生息。

 

(◆Dryocopus javensis philippinensis -フィリピンの下記の島々の亜種を包括して分類する説。)

Dryocopus javensis cebuensis -セブ島に生息。絶滅の可能性あり。
Dryocopus javensis confusus -ルソン島に生息。
Dryocopus javensis hargitti -パラワン島に生息。

Dryocopus javensis mindorensis -ミンドロ島に生息。

Dryocopus javensis multilunatus -ディナガット島・ミンダナオ島・バシラン島に生息。

Dryocopus javensis suluensis -スールー諸島に生息。

Dryocopus javensis pectoralis-サマール島・ボホール島などに生息。

 

Dryocopus javensis hodgsonii -インド西ガーツ山脈が生息。一部インド中央部、ガーツ山脈東に生息。◆Dryocopus javensis feddeni -タイ・ラオス・ミャンマー・ベトナムに生息。
Dryocopus javensis forresti -ミャンマー北部・中国四川省にかけて生息。 
Dryocopus javensis richardsi-朝鮮半島北部に生息。朝鮮半島南部と日本では絶滅。
Dryocopus javensis esthloterus

【生態】
亜熱帯・熱帯雨林の常緑樹林に生息。

食性は雑食。昆虫類を中心に捕食。アリ、甲虫類などの幼虫を古木から掘り起こして採食。木の実や種子も採食する。

巨木の枯れ木に樹洞を掘って営巣。暦年でその穴を使い繁殖することもある。

声もドラミングもほかの小型中型のキツツキ類よりも大きい。

「キャアキャアキャア・・・」と鳴く。

 

朝鮮半島と対馬の生息していた亜種の生態は

1000mを超える標高のクリ、カシ、ポプラ、ニレといった樹木が高密度の山林に生息。

【サイズ・形態】

全長42‐48㎝ 翼開長
キツツキ類最大級のサイズ。

オスとメスは頭頂部の色に差異がある。
オスの頭頂部と頬の斑は赤。メスはそれらの赤い部分がない。

上面は黒、下面は喉から胸まで黒、胸から下尾筒が白。

脚は濃灰色。脚指は4本、うち2つは後ろ向きに付く。

尾羽は硬く、色は黒。

クチバシは長く、先端が尖る。色は濃灰色。

【その他】

1923年に国の天然記念物に指定されたが、50年記録がなく、1972年に解除。


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<ここから鳥の写真>
『キタタキ(White-bellied Woodpecker)』
対馬に生息していた本種、日本では1920年を最後に記録がなく、絶滅宣言。

この響きは非常に寂しいですね。

その原因はいろいろとあるのでしょうが、生息環境の悪化減少が要因なんでしょうね。

もともと個体数も多くなかったこともあると思いますが、当時の対馬での林業の発展と関係があるのは想像に難くありませんよね。

韓国の京畿道の国立樹木園の森林に数つがいが生息。

北朝鮮に50羽ほどが生息しているようなので、日本に生息していた亜種としてはこの地域が最後の砦ですね。

何とか数を増やしてほしいものですね。

 

本種の和名「キタタキ」=「木叩き」

木をたたく大きな音が由来の命名なんですよね。

キツツキ<キタタキ

木突き<木叩き

やはりサイズの差が、その命名の差になっていますかね~

さて、日本では見ることが出来なくなった本種。

上述の亜種の中で、数亜種実際に撮影出来ました。

 

Dryocopus javensis parvus -シムル島(スマトラ島西沖)に生息。

メスの取り合いのオスの攻防とその後の結果の交尾を撮影。

 

 

交尾

 

◆Dryocopus javensis hargitti -パラワン島に生息。




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