竈馬 『カマドウマ』 ~不快害虫と呼ばれるヤツ~ | 手のひらを太陽に 〜Kominka Lifeのススメ〜

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一般社団法人伝統建築防腐防虫対策協会 茨城支部 支部長のブログです。防腐防虫から化学物質、ライフスタイル、古民家まで幅広く綴ってまいります。

竈馬『カマドウマ』というバッタをご存知ですか?

お食事中の方には申し訳ありませんが、日本に昔からいるメジャーなバッタです。別名を『便所コオロギ』と呼ばれています。かなり広い地域に生息し、ゲジゲジや、ムカデなどと共に、とても嫌われている虫です。


ウィキペディアより引用

ご覧になってわかるように、あまり好まれるような色、ガラではありませんね。昔の人は竈(釜戸)のすぐそばに住み着く馬のような顔をした虫として『竈馬(かまどうま)』と名ずけたとか‥

非常にジャンプ力が強く、飼育ケースなどで飼育していると自分でジャンプしたとき天井に激突して死んでしまうこともあるそうです。雑食性で、生餌でも死餌でもかまわず食べ、落ち葉でも食べます。共食いも当然します。なんだか、ものすごく獰猛そうな生き物に見えませんか?

でも、このカマドウマ。人間に害を及ぼすことはほとんどないのです。病原菌を振りまくことも、シロアリのように食害を及ぼすこともありません。暗くジメジメした場所で、ムカデやゲジゲジと一緒に見られることが多いのでかなり誤解されていることが多い損なバッタなんです。いわゆる、『不快害虫』というヤツです。あの見てくれですから、やっぱり気持ち悪いし、嫌われてしまうのでしょうが、こいつが暖かくなって家の中に紛れ込んだりしたときは、シロアリの食害を心配したほうが良いです。もともと森に生息する虫ですから、カブトムシなんかと一緒に餌を食べていることもあります。つまり、家屋の床下が建物にとって非常にまずい状況だとコイツが侵入してくるってことです。餌を探しにね。床下が風通しが悪く、ジメジメしている証拠なんです。ご注意ください。

人間が、誤ってに昆虫の好む生息地を、作り出してしまうことがあります。別に昆虫たちに他意はないのです。人間が餌場を提供しているだけです。生息できないような環境(虫にとって不快な環境)を作り出すことで、我々も被害を受けることがなくなるのだと思います。

カマドウマは、決して愛されるような虫ではありませんが、人間にひどいことをする虫でもありません。ことわざに『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』なんてのがありますが、虫には虫の言い分もあるでしょうね。

私たちも、自然界と住み分ける事を少し考えなければ‥そう思いませんか?