『ひぐらしのなく頃に』シリーズに登場する「竜宮レナ」の魅力について、狂気に塗れた面を含めてご紹介します。本編や新作アニメのネタバレを含むためご注意ください。


【ひぐらし】レナは基本的にまとも

©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会


レナは罪し編・鬼し編・鬼し編での家庭不和や外伝での鉄平殺しがなければ、基本的に周りを支える柱のような存在です。


作中は圭一の赤い炎の対比として、レナは冷静な青い炎と称されます。


暴走する部活メンバーを諭したり、錯乱する沙都子を包み込んだり、罪を重ねる詩音(魅音だと思ってる)に対して歴然と挑むなど、惨劇を回避する上で欠かせない人物です。


 レナがいなければ羽入参戦もなかった

皆殺し編のラストにおいて、傍観者で居続けた羽入に厳しい言葉を伝え、最後のピースをハメたのはレナです。


周りへの気配りという面でもレナはひぐらしの世界において必要不可欠。


 詩音すら一目置く人物

詩音と言えばあの魅音すら一枚越えるずる賢さを持っており、登場メンバーの中でもかなり頭のキレるメンバー(沸点も低いですが)。


目明し編の昭和57年に詩音は魅音としてレナと会っていますが、その時点でレナの鋭さと危なさを感じ取っていました。


あの惨劇を引き起こす殺人鬼に一目置かれるなんて、なかなかレナもやばいですよね。



【ひぐらし】幸せのための演技

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レナは不幸を知っているからこそ、幸せの在り方にこだわりを見せます。

圭一が日常の素晴らしさに気づけない時、心の中でレナは圭一を非難したでしょう。

なによりもレナは幸せを幸せと気づかない幸せを羨ましく思っていました。

レナにとって幸せな日常は尊いものであり、どこかハリボテ感のあるフィルターの先の出来事に感じることもあったのかもしれません。

 かぁいいモードは幸せの偽装

レナの異常性の1つとしてかぁいいモードがあります。


基本的にはギャグ要素として使われるかぁいいモード、実のところレナの演技です。


幸せであるための。

幸せで有り続けるための演技。


宝物として集めているゴミも、レナと同じく居場所のないモノだったから連れて帰っていただけでした(罪し編より)。


自身すら騙してバカを予想レナ、正直この時点で精神状態はヤバいかと。


【ひぐらし】レナはオヤシロさまの狂信者

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レナと切っても切り離せないのが「オヤシロさま」です。


レナの狂気の大半を占めるのがオヤシロさまと言ってもいいくらい。


魅音が言うように、レナはオヤシロさまの存在を信じており、ちゃかすとかなり怒ります。


 レナは以前にオヤシロさまの祟りに遭っている

レナは小学校に上がるまで雛見沢にいましたが、その後母親の仕事の都合で茨城へ越しています。


昭和57年4月に雛見沢へ戻ってくることになりますが、原因は母親の浮気。


レナは浮気相手(アキヒトおじさん)に何度も会っており――もちろんレナはなんだかんだ気前のいいおじさんくらいに思っていた――家庭崩壊の原因は状況を知っていたのに止められなかった自分自身のせいだと思うようになりました。


そして度重なるストレスと、雛見沢を離れた土地ということもあり雛見沢症候群を発症。


雛見沢症候群を発症する中で、レナは羽入の存在を感じ取ったんですね。


ついでに引っ越す直前に中学校でガラスを割りまくる事件を起こしています。


 オヤシロさまは“い”る

オヤシロさまを実感したレナはオヤシロさまの祟りも信じています


悟史や圭一、詩音にオヤシロさまの足音ペタペタとか話したのもレナからすれば本当に遭ったことを話しただけですが、まぁ疑心暗鬼に誘っただけ。


普通、オヤシロさまなんて信じないですよね。


特に詩音は、オヤシロさまの祟りを人間の仕業って言っています。


でもレナは本気で「オヤシロさまはいる」と言うんです。


理解できないものって、人間にとって恐怖なんですよ。

得体のしれないものを信じるレナ自身が恐怖


【ひぐらし】レナの狂気と凶器

©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会


レナと言えば「鉈」!


これは狂気と凶器をかけているそうです。


 狂気とは言葉の通じない恐怖

し編や鬼し編のレナが敵へ対して凶器を振るう時、もう意思疎通が不可能なんです。


助けを乞えばもしかしたら情けで助かるかも…と思えるのが人間。

もちろん言語の壁はあるかもしれませんが、コミュニケーションが取れれば希望を見出すことができるのです。


しかし、たとえばライオンだったり、落ちてくるギロチンの刃だったり、助けてなんて言ったところでどうにもなりません。


レナも同じです。

対象を敵と見なしたら最後、コミュニケーションは不成立。


さらに死体に対してもバラバラにするなど非道徳(殺ってる時点で道徳もなにもないが)な面が目立ちます。


目的のためなら徹底的に敵を排除する。

揺らぎはなく、周りの言葉も一切聞き入れない。


だから狂ったレナは怖いんです。


 レナは敵に回ると質が悪い

レナに限ったことでもないですけど……今回はレナについて語りますね。


し編で描かれている通り、レナは狂っていても論理的な判断を下しています


客観的に見ればありえないことであっても、レナの中では理屈が通っており、理論があるからこそ周りの意見に対して疑心暗鬼になりがち。


さらに質が悪い点のは、レナの理論には説得力があるところです。


圭一や大石が見事丸め込められましたからね。


こうやって狂気が伝播するのだと思うと、ひぐらしの世界で一番質が悪いのはレナかもしれません。


【ひぐらし】レナの狂気の元は家族愛

©2020竜騎士07/ひぐらしのなく頃に製作委員会


レナは責任感がとても強く、そして家族を大事にできる優しい女の子です。


レナが暴走してしまう理由も、家族のために自分のために幸せを勝ち取るための戦いでした。


 一世一代のがんばり物語

子供のレナが家庭の平和を掴むために何ができたでしょうか。


自分でお金を稼げる歳でもない。

家を出るあてもない。


自活しようがないレナが生きるための唯一の居場所は家庭です。


子供であれば当たり前ですね。


それがまたもや侵されようとしている。

父親は過ちに気づけない。

レナだけが気づいている。


レナだけが救える。


レナが頑張れば幸せになれる。


レナの行動を肯定するわけではないですが、追い詰められた少女が不幸の原因を排除しようと考えるのは仕方ないと私は思います。

(もちろん殺っちゃだめ)


 がんばる方向を間違えてしまっただけ

真面目さゆえ、責任感の強さゆえ、レナは1人で頑張り過ぎちゃいました。


でも美しいじゃないですか。


どうしても手に入れたい幸せのため。


理想高く望んだわけじゃない。


ただ家族と笑って暮らして、仲間と遊べればそれでいいだけなのに。


当たり前の幸せのために全身全霊をかけたレナのがんばり物語、とっても美しいじゃないですか。