田中大地です。
これまでの記事で度々、過去データを使ってリターンとリスクを数値化し、示してきました。
今回はその数値化の方法をお伝えしたいと思います。
過去データとEXCELを使います。
過去データはダウンロードできるサイトがたくさんあります。
代表的なものとしては、
「Yahoo!ファイナンス」
例)みずほFGの時系列データページ(CSVダウンロードは有料サービスだがコピペやツールを使えば無料で取得も可能)
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/history/?code=8411.T
「Yahoo!Finance」
例)NYダウ平均のHistoricalDataページ
https://finance.yahoo.com/quote/%5EDJI/history?p=%5EDJI
日々保有を続ける戦略の検証に必要とする過去データは、対象期間の日足データ(日付、始値、高値、安値、終値)になります。終値だけでも良いです。
↓日足データの例
<騰落率の計算方法>
まずは、リターン・リスクの算出に先立ち、日々の騰落率(変化率)を計算した列を用意します。
上記のシートのF列に終値を使った騰落率を計算する計算式を入力します。
セルF3に入れる計算式は次の通りです。書式は%にしておきます。
=E3/E2-1
コピペやオートフィルでF列の他の行にも同様に入力します。
これで当日の終値の前日の終値に対する変化率が計算できます。
騰落率(とうらくりつ)は相場用語です。
↓騰落率を計算
<リターンの求め方>
ここでは年率換算したリターンを求めます。
いろいろ方法はありますが、僕が日々の騰落率を使って計算する場合は、この騰落率の平均値に年間の営業日数(約260日)を掛けて年リターンとして計算します。
上記の例の場合は次のような計算式になります。
=AVERAGE(F3:F20)*260
値は1.01%でした。
<リスクの求め方>
リターンで使った騰落率の標準偏差を計算し、年率換算します。
標準偏差を求めるExcelの関数はSTDEV.Pを使います。STDEV.Sもありますが大差ないのでどちらでも。
そして、日々の標準偏差を年率換算する方法は値に営業日数の平方根を掛けます。
平方根を求める関数はSQRTです。
具体的な計算式はこちら
=STDEV.P(F3:F20)*SQRT(260)
値は14.30%でした。
<シャープレシオの求め方>
シャープレシオやリスク対リターンを示す値です。
単にリターンをリスクで割ります。
計算式は
=(リターン値を計算したセル)/(リスク値を計算したセル)
値は0.071でした。
↓リターン、リスク、シャープレシオを計算
どんな銘柄、戦略でも検証期間によって値は変わってきます。
検証期間が長く、データ量が多いほど、信頼性は高まります。
10年以上のデータを使った検証をもとに銘柄や戦略の判断をおすすめします。
そしてデータ量の観点から、年足データや週足データを使いよりも日足データを使ったほうが良いでしょう。
今回、日足データからリスクとリターンを計算する方法をお伝えしました。
もし株や為替で保有している銘柄があれば、過去のリスクやリターンを計算してみてください。
数値として客観的にみることで冷静な判断ができると思います。
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