ネギま14巻の感想・考察 | 抹茶コーラ飲むですか?

ネギま14巻の感想・考察

武道会は終わりましたが、まだまだ学園祭は続きますよ♪


14巻は全編がラブコメ☆

では、行ってみよぉ~^^


魔法先生ネギま! (14)/赤松 健
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14巻ウラ


裏表紙は早乙女ハルナですね^^

のどかと夕映と一緒に行動しているということもあり、昔から何気に出番の多いキャラでしたが、今まではメインの話もなくあまり目立ってはいませんでしたね。しかしこの14巻からは魔法の存在を知ったということもあり、一気にネギパーティの一員にまで押し上がってきました。

特に、この巻の図書館組のエピソードではのどかと夕映の間に立ち、二人のこじれかけかかってしまった関係を取り繕おうと奔走している姿が印象的で、かなり重要な役割を与えられていました。普段はおどけているように見えますが、実は友達想いな暖かい心を持った人物なのだと思います。


古株のキャラですし、私の評価は高いです。これからも頑張れ!



・全体の流れと概観


A、ネギ、茶々丸の野点に参加する。クラスメイトたちがネギの姿に一目置く。

B、マスコミに追われるネギを茶々丸と千雨が助ける。一緒に行動することに。

C、千雨がネギの核心に迫る。茶々丸と千雨、観覧車で話し込む。

D、小太郎とネギが合流。亜子、ナギの夢を見る。

E、ネギ(大人バージョン)、亜子の背中のキズを見てしまう。亜子、逃げ出す。

F、ネギ、気を失いライブに出られなかった亜子をカシオペアで元の時間に戻す。

G、ネギ、亜子と一緒に学園祭を回る。亜子、告白しようとするが失敗。

H、亜子、ネギに励まされる。ライブを無事成功させる。

I、ハルナに魔法がバレる。ハルナ、遊びにきたネギにいきなりキス。

J、探検大会が始まる。ハルナ、夕映の様子のおかしさに気が付く。

K、夕映、逃げ出す。が、結局のどからと行動を共にすることに。

L、のどか、夕映の真意に迫る。夕映、答えられずに逃げ出す。

M、夕映、投身自殺未遂。のどか、「友達でいて ゆえ」

N、夕映が仮契約。

O、アスナと高畑の学園祭見学が始まる。



この巻は11~13巻の武道会編とは一転して、ラブコメに特化した巻となっている。主に取り扱われたキャラは、茶々丸、千雨、亜子、チアガール3人、図書館組(木乃香含む)、アスナなどで、かなり多彩な顔ぶれとなっている。

いきなりのラブコメではあったが、試合で起きた様々な出来事を引きずるネギの姿が所々で描写されることで、前巻からの物語の流れはスムーズなものとなっている。展開に無理な違和感は感じられなかった。


次巻以降から本格的に始まるVSチャオ編に直接つながるようなシリアスな要素はあまりなかったが、学園祭という舞台をうまく活用してドキドキできるラブコメ話を展開している。


A~Hは一見前半が茶々丸・千雨編、後半が亜子編というように独立しているかのように見えるが、この2つのエピソードは実はうまく連動しており、どちらかと言うと茶々丸・千雨編の延長上に亜子編が乗っているようにも見える。実際、亜子とネギの動向を見守る形で茶々丸と千雨のコンビが亜子編にも登場している。つまりA~Hは一つのまとまった大きなエピソードとして見ることも可能であるのだ。そう考えると、長いエピソードではあるが巧みな構成力がフルに発揮され、しっかりと筋の通った物語が作り上げられているエピソードだということが分かるだろう。


前半・中盤の見どころがこの茶々丸・千雨・亜子編であったのに対し、後半の見どころはI~Nの図書館組編となっている。

武道会でネギが魔法使いだということに感づいたハルナがドタバタを巻き起こし・・・というように、武道会から続く自然な物語の流れが確保されている。

丸々3話分を使ったエピソードとなっておりラブコメとしてはやや長めではあるが、こちらも茶々丸・千雨・亜子編と同様、かなり高い構成力を感じられる。

特に各話の終わらせ方は非常に優秀である。

1話目では、夕映がハルナに核心に迫られ動揺するところをのどかが聞いてしまったというところで終わる。2話目は、夕映が自殺するような形で飛び降りるところで終わっている。そして3話目は、夕映が仮契約を果たすところで切りよく終わっている。

1話、2話目の終わりでは続きが非常に気になる展開で終わらせ次回への期待感を煽ることに成功し、3話目の終わりではいい形でハッピーエンドを迎えさせることに成功している。単にストーリーが優れていただけではなく、こうした構成力の高さもこのエピソードを秀逸なものにしている重要な要素だと思う。


さらに、最後のOの部分ではアスナと高畑の学園祭見学が始まり、次巻へと物語が続いていっている。前半部分でチャオの謎の兵器を発見した美空の証言の部分が盛り込まれるなど、VSチャオ編に繋がる布石もしっかりとここでは敷かれていた。


武道会では出番が控え目であったキャラ達が多数活躍したということもあり、充実した内容の巻であったと思う。



・具体的な感想・考察


ア)千雨と茶々丸

この巻の前半・中盤でこの二人は出番を多くもらっていたが、なかなかナイスなコンビだと思う。ファンタジックな内容をありのままに伝える茶々丸と、その内容にいちいち呆れかえってしまう千雨という構図がデフォルトだ。

武道会で千雨が試合を観戦しているところに茶々丸が語りかけてくることで二人の交流は始まったが、この巻まで来るともうしっかり馴染んだ関係にまでなっているような気がするから興味深い。千雨にとって、ハチャメチャな人物が多い3-Aの中では冷静に話をできる茶々丸は気を許せる相手なのだろう。


この茶々丸・千雨の関係は後々も重要になってくる。VSチャオ編ではお互いに語り合った中ではあったが敵同士に回る結果となり、それぞれが信念をぶつけて戦い合うことになった。またその後の夏休み編、魔法の国編でも二人が絡む話は多く与えられ、千雨は基本的には嫌々だが、協力してネギをサポートしていることが多い。

二人の共通点はこのようにネギを蔭からサポートしているキャラということだ。無理をするネギに気をもむことが常だが、力を合わせてこれからもネギを支えてあげて欲しいと思う。


イ)亜子は十分美人ですw

まず言っておきたいことが、亜子は十分美人だということだ。彼女自身は自分のことを「ごくフツー」などと評して謙遜しているが、そんなことはないだろう。美人揃いの3-Aの中で埋没しているという感じも別にない。むしろ私は、運動部4人組が3-Aの中では一番のかわいい娘(顔とか全体の容姿的には)がそろっているグループだと断言したい。君たちが自分の容姿にケチをつけてはけないよ。明らかに4人全員が万人に好かれるようなデザインを赤松先生からもらっているではないか。


その亜子がメイン話をもらったのは実はこの14巻が初めてだ。

運動部4人組はクラスの明るい雰囲気を演出するキャラとして今までも出番はかなり貰っていたが、メインで扱われていたのはまき絵ぐらいで、よく考えてみるとそれ以外の3人はメインの話はなかったのだ。

それが亜子に関しては、この14巻で初めてクラスメイト編をもらうことになった。ファンにとってはようやくかという気持ちもあったかもしれない。


ネギが魔法の薬で変身した「ナギ」に一目ぼれしてしまう亜子は初々しくて面白い。しかし、動揺の仕方やセリフ回しといった表現や展開に若干大雑把さが感じられたのが残念だ。ラブコメにはあまり大袈裟な表現は必要ない。ちょっと顔が赤くなった表情や、ちょっとした言動だけで萌えを取れるようにならないといけないと思う。もう少し繊細な描写を心がけるべきだ。


ウ)随一の感動話!図書館組編!

楽しさが全面に押し出されるのがネギまのラブコメであるが、この図書館組のエピソードでは、まるでなにか恋愛小説を読んでいるかのような気分に読者を導いてくれる、感動の展開が待っていた。


のどかを応援したい。その気持ちは確かであるはずなのに、ハルナに問い詰められるとネギへの気持ちを否定することができない・・・。そんな友情と自分の恋の狭間で苦しむ夕映はただただ目の前の状況から逃げ出すことしかできなかった。

のどかを陥れるような行動を少しでも取ってしまった自分を恥じ、自分自身を消し去りたいとまで思いつめた夕映を救ったのは、他でもない親友・のどかであった。

「友達でいて ゆえ」

この一言で、物事を論理的に考えすぎる傾向にある夕映がどれほど救われたことであろうか。理屈なんか関係ない。二人で一緒にがんばって行けばいいじゃないか・・・。

のどかがやさしく語りかけ、お互いに涙を流しながら抱きしめ合うシーンは感動の一言だ。二人が今まで築き上げてきた信頼と深い友情は決して崩れ去ることはなかったのだ。


そして夕映は主要4人(アスナ、のどか、刹那、木乃香)に続く5人目の契約者となるという快挙を達成する。

その直後にハルナや千雨も仮契約を交わしたことで仮契約の希少価値が一気に下がってしまったようにも感じられたが、夕映の仮契約に関しては、とにかく快挙であると思う。正直に言って主要4人以外は仮契約という聖域に到達できないのではないかと私自身思っていたからだ(アニメについては言及しない)。それを見事に打破した夕映の仮契約は大きな意味を持つと思う。ただし、これ以上契約者が増えて欲しいとは全く思わないが。


エ)総合評価

B AGの7段階評価)

ラブコメに偏った巻ではあったが、図書館組のエピソードがかなり良かった。