いま、イタリアのナポリにおりますが、今日のCNNの記事↓が書いてあるように、この夏のナポリのぼったくりは過熱化しています。

コロナ前までも、ここナポリのタクシーはぼったくりが多いことで有名でした。私のイタリア訪問経験で言うと、ミラノやフィレンツェでぼったくりタクシーに合う確率は5-10%以下、ローマは40%、ナポリは95%以上ぼったくりで、メーターを回してくれません。イタリア語は少し話せるので、「Tariffa(定額料金)があるだろ!」と言っても、聞いてくれないのがナポリのタクシーです。バンコクのタクシー(Taxi Meter)でさえ、多くのタクシーはメーターを回してくれるのに、ナポリでメーターを回してくれるのは珍しいことです。コロナが終わり、アメリカ人やドイツ人を中心に、イタリアへの旅行客が激増していますが、そんな中で、ぼったくりがさらに悪化しています。今年の5月の閑散期にナポリに行った際は、ナポリ空港のタクシー乗り場に観光客が並んでいなかったので、イタリア語で交渉して、空港から中心部への定額料金では25ユーロのところを30ユーロですみました。このようなタクシー運転手との駆け引きはナポリでは当たり前で、ナポリのタクシー運転手は「お前には30ユーロにしてあげるが、英語も話せない中国人にはいつも50ユーロは取るんだぞ」と平気で言ってきます。ところが、今年の8月にナポリ空港に到着した際には、アメリカやドイツなどからの観光客が多く、空港のタクシー乗り場は大行列でした。ナポリには50回ほど行ったことがありますが、過去に見たことのない行列で、早くホテルに行きたかったので、行列には並ばず、声をかけてきた運転手と交渉し、「40ユーロでどうだ?」と言うので、並ばないで良いならそれでも良いと思い、声をかけてきたタクシー運転手について行きました(白タクでなく、メーターのついている正規のタクシーです)。ところが、タクシーに乗って出発した直後に、いつものことですが、「渋滞があるから、45ユーロでいいな?」と運転手が言ってきます。このような低レベルな駆け引きは慣れていますが、イタリア語で「おい、さっき、40ユーロと約束しただろ。そもそも、渋滞に巻き込まれてないだろ。日本人に嘘を付くのか?日本とイタリアは昔から友人のような関係だよな?嘘はダメだぞ!」とタクシー運転手に言うと、黙り込みます。これで話は終わりません。夏の暑い時でも、ナポリのタクシー運転手はガソリン節約のため、冷房をつけない運転手が多いですが、このタクシーも冷房をオンにしていないので、車内が暑いです。そこで、「暑いので冷房つけてくれませんか?」とお願いすると、運転手がすかさず、「わかったよ、冷房入れるから、45ユーロでいいな?」と言ってきます。これで、全ての交渉が終わりますが、このタクシー運転手曰く、景気の良いアメリカ人観光客は100ユーロ払うそうです。「アメリカ人には乗った後から、渋滞、大きな荷物、空港駐車代、チップなどと言えば、普通に満額払ってくれるんだ」と言われました。ぼったくりをそのままにしてしまう景気の良い観光客にも、ぼったくり発生の原因があるのだと思いました。ぼったくりの好循環を阻止するために、先程のようにナポリのタクシー運転手と交渉したわけですが、イタリア(特にローマ以南)に行く際にはお気をつけください。明日からウィーンを訪問して、来週、日本に帰ります。ウィーンとザルツブルクには、ぼったくりはあまりいません。