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 素晴らしき昭和の芸術作品です


 WOWOW で映画 「黒蜥蜴」 (くろとかげ) を見ました。

 丸山明宏 (美輪明宏) 主演の1968年 (昭和43年) の映画です。
 まったく期待せずに見たので、想定外の素晴らしさに感動してしまいました。


 この 「黒蜥蜴」 は、戯曲(舞台)を映画化したものです。

 原作は 江戸川乱歩 の長編探偵小説で、それを 三島由紀夫 が戯曲化したものです。
 1962年に初代・水谷八重子主演で戯曲が初上演され、同年に映画化もされています。

 1962年公開の映画 「黒蜥蜴」 の主演は京マチ子でした。
 この映画はテレビでチラっと見たことがありますが、ミュージカル風でした。


 美輪さんが舞台で初めて黒蜥蜴を演じたのは1968年3月です。

 旧知の三島由紀夫から直々に出演依頼を受け、何度か断った末に出演を承諾。
 その舞台が絶賛され、同年8月にこの映画 「黒蜥蜴」 公開されました。


 舞台が成功すると、松竹から美輪さんへ映画制作の話があり、深作欣二を
 監督にすることを条件に出演を承諾。 映画は大ヒットしたのでした。

 新たな脚本で製作されたこの映画は、戯曲原作の三島由紀夫も出演しています。


 勿論、最大の見どころは美輪さんの妖艶な演技と存在感です。

 しかし、映像、台詞、役者のどれをとっても魅力満載の映画なのです。
 特に美しい日本語の台詞が印象的で、記憶に残る言葉が数多くあります。

 映画を見終わった今でも、お気に入りの場面を何度も見返しています。


 若き日の川津祐介さん、松岡きっこさんも眩しいほどに輝いています。
 明智小五郎役の名優、木村功さんの演技も素晴らしいです。

 美しさと、気高さと、妖しさを持ち合わせた映画だと思います。




 youtube.comにこの映画のオープニングとエンディングの映像がありました。
 美輪さんが歌う "黒蜥蜴の歌" は、美輪さん自身の作詞/作曲です。

 尚、この映画は、現在まで一度も商品化 (ビデオ、DVD) されたことがないそうです。

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 すべての場面が絵画のようです。
「黒蜥蜴」  1968年 日本
監督: 深作欣二
原作: 江戸川乱歩
原作戯曲: 三島由紀夫
脚色: 成澤昌茂
音楽: 冨田勲
出演: 丸山明宏/木村功/川津祐介/松岡きっこ/三島由紀夫/西村晃

【あらすじ】
世間を騒がす神出鬼没の女賊・黒蜥蜴が、大胆不敵にも、宝石商の岩瀬が所有する時価1億円のダイヤの強奪と岩瀬の娘・早苗の誘拐を予告。身辺警護を依頼された名探偵・明智小五郎は、岩瀬父娘を大阪のホテルにひそかにかくまい、厳重な警戒網を敷く。黒蜥蜴は、それをかいくぐってホテルに姿を現わすが、明智の才知により、かろうじて犯行は未然に防がれる。しかし半月後、黒蜥蜴は早苗を誘拐すると、ダイヤとの交換を要求し…。 

【解 説】 (wowow)
 時価1億円の宝石をめぐる華麗な女賊・黒蜥蜴と名探偵・明智小五郎の息詰まる対決の行方や、いかに? ヒロインを美輪(当時は丸山姓)明宏が妖艶に演じた異色カルト映画。	
 江戸川乱歩の同名探偵小説を、三島由紀夫がきらびやかな台詞を全編にちりばめて戯曲化。この戯曲版をもとに、先に京マチ子主演で映画化もされていた人気作を、舞台でも主役を務め、絶賛を博した美輪明宏の主演で再映画化。当時東映専属からフリーとなっていた深作欣二監督が初の松竹を舞台に、美輪ならではの特異な個性を存分に活かした華麗な様式美とけれんみたっぷりの演出を披露。ご存じ名探偵・明智小五郎を「七人の侍」の木村功が演じるほか、三島本人も意外な役どころで劇中に登場する。