2019年11月の情報
広島がポスティングシステム申請を容認(11月8日)
広島東洋カープが8日、菊池涼介内野手のポスティング申請を容認することを決めたと発表した。
数日前に本人からポスティング申請の要望があった。今後、球団がNPBに申請手続きをする。米国移籍が実現しなかった場合は球団は残留を受け入れるとした。
鈴木球団本部長は「彼は今まで球団に多くの貢献をしてくれた。彼のチャレンジを尊重したい」とコメントした。
菊池涼は昨年12月にポスティング制度を利用し、米大リーグに挑戦する希望を球団に伝えていた。会見で「野球をやってる以上、トップのレベルでやりたいと思ってる選手は多いと思う。僕もその一人です」と語っていた。
【評】今シーズンオフの動向が注目されていた菊池涼介が球団側へポスティング申請の要望を伝え、球団側も容認する事が決まりました。
日本人野手の移籍市場での評価は一時期に比べれば、非常に厳しい状況。ましてや内野手ですから現状の条件よりも厳しい提示を受ける可能性も十分考えられます。
広島が近日中にもポスティング申請手続きへ マイナー契約の場合は残留を要請(11月13日)
広島鈴木清明球団本部長が12日、ポスティングシステムを利用してMLB移籍を目指す菊池涼介内野手の申請手続きを、近日中に行うことを明かした。
「彼の希望に合わせるが、米国が(28日に)サンクスギビングデー(感謝祭)の連休に入るので、それまでには申請する予定。メジャー契約を勝ち取ってほしい」
広島が菊池涼介内野手がメジャー契約を結べなかった場合、残留を促す方針であることが、分かった。
鈴木清明球団本部長が「行くならメジャー契約。そうでなければ臆することなく帰ってきたらいい」と、入札された場合でも、マイナー契約ならオファーを拒否して、来季も広島でのプレーを求める考えを示した。
現制度では旧球団に「撤回権」がないため、広島が入札球団に契約拒否を申し出ることはできない。同本部長は「(マイナー契約でも)本人がチャレンジしたいと思うならそれでいい」と最終的には当人に委ねるとしながらも、現年俸からの大幅減をのむよりは、もう1年チャンスを待つべきだと説いた。
【評】広島が近日中にもポスティングシステム申請手続きを行う事を明かし、またマイナー契約の場合は残留を要請する事も併せて考えている事が分かりました。
菊池の評価は一貫して「高い守備力」であり、打撃への評価はかなり厳しい見方をされています。また二塁だけではなく、三塁や遊撃といったユーティリティー枠としても見られているという報道も多数見られます。
代理人を通じてどのような評価を自身が受けているかを菊池が見極める必要が高そうです。
2019年12月の情報
ポスティングシステム申請手続きが完了 米時間3日8時から交渉可能に(12月3日)
広島は3日、ポスティングシステムを利用しメジャー移籍を目指す菊池涼介内野手について、MLBが全30球団に契約可能選手として通知したことを明らかにした。
現地時間2日に全ての手続きが完了し、この日午前に球団に連絡があった。現地時間3日午前8時(日本時間3日午後10時)から全30球団との交渉が可能になる。
【評】ポスティングシステム申請が完了し、米時間3日8時(日本時間3日22時)からMLB全30球団との交渉が解禁されます。
来週9日~12日からはウインターミーティングが行われる予定でそこで代理人がどこまで興味・関心を引き出せるか、そして菊池の何をアピールポイントにするか。ここが交渉の行方を左右する事になりそうです。
代理人が話を進めている段階と明かす メジャー契約を勝ち取ることがゴールと語る(12月10日)
ポスティング制度でMLB挑戦を目指す菊池涼介内野手に関して、代理人のマイク・シール氏が現況について語った。
「各球団との話を進めている段階。二塁だけでなく、遊撃など他のポジションも守れることをアピールしている」。
交渉期限まで慎重に交渉を進める予定で、「メジャー契約を勝ち取ることがゴールだ」と、冷静な口調で話していた。
【評】菊池の代理人を務めるマイク・シール氏が現況について語りました。
やはり二塁だけではなく、複数ポジションを守れるというユーティリティー性をアピールしているようで、各球団という表現からすると一定数の関心を集めているようです。一方で「メジャー契約」がゴールとしているようで、その条件を引き出せるかどうかが今後のカギとなりそうです。
ボストン・レッドソックスが強い興味を示していると報道(12月11日)
ボストン・レッドソックスが、菊池涼介内野手に強い興味を示していることが分かった。
メジャー関係者は「レ軍は内野のユーティリティーが補強ポイント。打撃でも左翼まで距離の短いフェンウェイ・パークはフィットする」と指摘した。
今オフは二塁手のFAが多いが、レ軍が着目したのはユーティリティー性。近年では二塁での出場が続くが12年には三塁で1試合と遊撃で9試合、13年には遊撃で11試合の経験がある。器用なため、どの守備位置もこなせると評価している。過去に松坂、上原ら多くの日本選手が在籍し、同関係者は「受け入れ態勢も整っている」とした。
ウインターミーティング会場に姿を見せたマイク・シール代理人は「複数の球団が興味を示している。本格的な交渉はこれからになるが、守備の良い内野手を探しているチームは多い」と説明した。「積極的に売り込んでいく」と意気込んでいた。
【評】ここまで具体的な球団名は挙がっていませんでしたが、ここにきてレッドソックスが浮上。
実際現状のレッドソックスにおいてユーティリティータイプの選手の層は薄くなっています。ただユーティリティー選手に移籍金を支払ってまで獲得するかというのは疑問符が付きます。
しかし強い興味という部分では、獲得リストには入っていると言えそうです。
広島東洋カープに残留する事を表明(12月27日)
ポスティングシステムでMLB移籍を目指していた菊池涼介内野手が27日、来季もチームに残留することを表明した。
「本日残留の交渉をしまして、残留することを決めました」
11月に球団がリーグ3連覇に貢献した功績を評価し、ポスティングシステムによるメジャー挑戦を容認。今月上旬に申請手続きを完了していた。代理人を通じて交渉を続けていたが、残留を決断した。
残留に至った経緯について「本当に自分の夢を実現しようと動いてくれた球団にはわがままなお願いをいっぱいしてきましたし、それを聞いて挑戦するところまでこれたことは球団には感謝しています。それ以上にFA市場の動きが遅いということもあり、その状況が続くのであれば、やはり僕の思いをくんで快く(海外挑戦へ)出してくれた球団に残ることを伝えた方がいいという決断に至りました」と説明した。
【評】ポスティングシステムによるメジャー挑戦を目指していた菊池涼介がメジャー挑戦を断念し、残留を表明しました。
会見のコメントにもあるように二塁手のFA市場は停滞中。メジャーで十分な実績を残す選手が市場には残っており、そういう選手を差し置いて優先される可能性はかなり低かった印象です。
また年齢面や打撃面などで「フルタイムの二塁手」というよりも「二塁がメインのユーティリティー選手」と見られていた可能性が高く、そういった選手を求めていた球団も大半が補強を完了(マイナー契約を含む)。またそういったユーティリティー選手も市場に残っているため、移籍を優先する場合はマイナー契約しかない状況だったとも言えます。