新フランス大使館 | カル-アのブログ

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大好きな乗馬の日誌と中村あゆみを応援するブログです。
感動した事を皆様にお伝えします。

10月29日(金)に全国からメンバーが集まる会議がありました。この会議は全国の支店を持ち回りで開いて、各地の竣工したばかりの建築見学会が必ずついてくるのですが、今回は東京本店が主催となったので、どこが見学可能か知恵を絞ったあげく、広い敷地に東西に長く伸びる平面が特徴の建て替えられたフランス大使館を見学することになりました。普通の日本人がめったに立ち入ることができない場所を見学するという貴重な機会でした。写真の整理がやっとついたので、皆さまに公開しますね。





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まず敷地を見て驚くのはこのゲ-トを兼ねたビザ棟です。ところどころに穴のあいた大きくオ-バ-ハングした屋根の造形が度肝を抜かれます





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これがフランス大使館の平面図です。クリックして拡大して見てください。北側には深い森が広がり、南側には既存のマンションが裏を向いているので、両者に囲まれた東西に細長い部分しか建築することができませんでした。基本的にはくの字の平面ですが、設計者はシャープさを追及したため、コーナーがぎざぎざになっています。くの字の中央がエントランスとなっており、来館者はエントランスまで細長いスロープのアプローチを歩いてくることになります。





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建築本体にあたるコ-ナ-のエッジを見たところです。北側が全面ガラスのカ-テンウォ-ルになっているのに対し、南側は隣地のマンションからの視線を守るためにコンクリ-トのPCになっていて、両者は60度といいう鋭角でぶつかって、とてもシャ-プな印象を受けます。北側は森があり、森との境界は崖になっていますが人工的に緑化されています。




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アプローチには雨の日にはできるだけ人が濡れないようにガラスの庇がついています。スチールのフラットバーをレーザーで切り抜いたとても繊細なブラケットがこのガラスを支えています。ガラスのカーテンウォールに庇が写りこんで二重に見えます。








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アプローチを抜けたところには広場が設けられています。ガラスには森の緑が写りこんでいますね。ここは都心のまっただ中とは思えないほど緑が充実していて、夕暮れ時だったので虫の鳴き声が聞こえてきました。人々が個々の仕事をするオフィス空間は、この北側の森に向かって配置されており、全面ガラスのカーテンウォールを通して、内部からは四季折々の変化を楽しむことができます。








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エントランスホールは吹き抜けとなっていて、屋根はガラスなので、昼間は光がさんさんと降り注ぎます。グレーに見える壁はコンクリートの研ぎ出し仕上げになっていて、白い石灰岩や黒い花崗岩の種石が表に点々と見えています。ガラスは壁から屋根まで連続しています。







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僕らが行った時間は夕方だったので、外の光と内部の照明の両方を楽しむことができました。照明は全体を明るくするのではなく、人が集まるところを集中的にスポットライトで照らすような計画がされているので、夜には昼間とは全く違った雰囲気になります。基本的に大使館の仕事は朝9時から夕方5時までなので、仕事が終わる頃にはゆったりした気分になれそうです。






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オフィス内から外の緑を見たところです。北向きなので、直射日光が入らず、一日を通して安定した光が入ってくるので、仕事がしやすそうです。






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各階の廊下はカラフルな色が大胆に使われていて、楽しげな空間になっています。






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これは大会議室の正面の壁いっぱいを使ってアートがほどこされているところです。大壁画ですね。さすがフランス、あちこちに個性的なアートがあって、空間を魅力付けしていました。







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学が終わる頃には日が完全に沈んで、あたりは真っ暗になっていました。この写真はアプローチのピロティ空間にほどこされた照明のアートです。フランスにちなんでトリコロールの色をつかったランプが点々とついています。




皆さんはフランスのビザをとるためにこの大使館を訪れるかもしれませんね。ビザの発給をするところはゲートの部分にあり、その空間もなかなかダイナミックなデザインなので一見の価値ありです。是非近くまで行ったら寄ってみてくださいね。