妖怪 ぬりかべをご存知ですか? | 伊豆高原「怪しい少年少女博物館」のブログ

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レトロで可愛くて気持ち悪い。伊豆高原「怪しい少年少女博物館」の展示品などを紹介します。

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怪しい少年少女博物館2階右手奥の妖怪のコーナーに展示をしているカバヤ食品 ゲゲゲのしげる妖怪絵巻のぬりかべの食玩フィギュア。大き目なのでなかなかインパクトがある食玩です。目にクマがあるみたいですが、寝不足なのかな? いつもちょっと眠そうなイメージがあるキャラですけど・・・
 






同コーナーに展示をしている妖怪舎製 水木しげる監修 ゲゲゲの鬼太郎 妖怪フィギュアコレクションのぬりかべのフィギュア。なかなか可愛いぬりかべ君です
 




上の写真のフィギュアを展示している辺りの様子。以前のブログでご紹介した妖怪舎製のフィギュアたちも並んでいます
 

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1階入り口付近の食玩のコーナーに展示をしていて、前回ブログでもご紹介したバンダイ製 ゲゲゲの鬼太郎 鬼太郎名鑑の「ぬりかべ&一反もめん」の食玩フィギュア
 

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こちらのイラストは「わたしの妖怪体験記」 河本真紀著 データハウス刊からですが、水木しげる氏のぬりかべのイメージを踏襲したものと言えます
 

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以下は水木しげる氏が描いたぬりかべ、昭和40年代の少年マガジンの口絵からお借りしました。この頃は一つ目で描かれていたようです
 
「ウルトラマンくらいの大きさがあり、あいてをつつみこんでしまう。だが、ふだんはぞうのようにおとなしい。」と説明書きに書かれています。怪獣並みにでかい! って訳ですね

 

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前回のブログでもご紹介したイラストですが、ぬりかべは左手上方からのぞいています。夜の墓場でぬりかべに阻まれて動けなくなったら怖いよね?
 

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「山中で、ダムのようなものにぶつかることがある。これがぬりかべという妖怪で、うごかないといわれている」と説明にあります。足が木の根っこみたいに描かれています。こりゃあ動かせそうもないよね? 水木しげる氏は戦時中にラバウルでぬりかべのようなものに行く手を阻まれた経験があるそうです
 


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「日本のびっくり妖怪地図」というイラストに福岡県の妖怪として描かれています。ぬりかべは鬼太郎シリーズでは、鬼太郎の仲間、人間に味方する正義の妖怪という設定になっています
 
大らかなキャラクターとして描かれ、現在は好きな妖怪ランキングで上位に入る程人気がある妖怪ですが、元々はローカルで知名度もそれ程高い妖怪ではありませんでした。古典には絵姿もないようで、ぬりかべをメジャーにしたのも、人気妖怪にしたのも水木しげる氏の功績と言えるでしょう

 

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妖怪の術を学ぶ妖怪学校の門番という設定で描かれているぬりかべ。ここでは足が両端に描かれていますが、足の描かれ方に色々なバリエーションがあるようです
 

 

ぬりかべってどんな妖怪?
 
元々は福岡県の遠賀郡の海岸によく現れたという妖怪です。日暮れや明け方の暗い時や夜に現れるとされ、歩いていると急に行く先が白い壁になり、何処へも行けなくなってしまいます。押しても引いてもビクともせず、道一杯に広がって通せんぼをすると言う妖怪です
 
ぬりかべから逃れるには、木の枝等で下の方をサッと払うと消えてしまうと言います。上の方は払っても叩いてもダメらしいです。また傍に腰を下ろして、煙草を一服する等して一息つくと、飽きてしまうのか消えてしまうと言います
 
 
水木しげる氏が遭遇したぬりかべ
 
第二次大戦中にラバウルで敵軍から逃れ、仲間とはぐれて深夜一人でジャングルをさまよっていた時に、水木氏はぬりかべと同じものに遭遇したと言います

 

前へ前へと進んでいた所、ある所で進めなくなってしまったそうです。押してみると岩でもないようです。色は白ではなく黒で、しいて言えばコールタールを固めた感じのもの。暗い所で、真っ黒なお方がいきなり現れたのですから、一体どんな形をしているのか、右に回っても左に回っても前方に進めず、慌てふためき、途方に暮れたと言います
 
その場で腰を下ろして一休みしたのち、もう一度進んでみたら、何事もなかったかのように進めたそうです。水木氏は気が動転したような時に現れる妖怪なのでは?と分析しています
 
 
ぬりかべに似た妖怪もいます
 
徳島県の美馬市に伝わる衝立狸(ついたてだぬき)や高知県に現れたと言う野襖(のぶすま)も似たような妖怪と言えそうです。前者は道の真ん中に衝立が立つと言うもので、狸の仕業とされました
 
へその下の丹田に力を込めて突き進めば通れるのだそうですが、大抵の人は驚いて引き返してしまったと言います。この狸は石碑に封印され、その石碑が近年まで残っていたものの、昭和40年代に盗難に遭い現存していないそうです
 
後者の野襖の場合、夜歩いていると行く手に現れると言います。上下左右に際限なく襖のような壁が続いており、どうやっても通れず、野襖だと気づいた者は気絶してしまうとも・・・あきらめて煙草を吸っていると、いつの間にか消えているそうです
 
大分県の各地では狸の塗り壁と言う怪異が伝わっており、豊後高田市ではイタチの塗り壁と呼んでいるそうです。歩行中に突然目の前が見えなくなるそうです
 
狸がこれを起こす時は、陰嚢を一杯に広げて夜道を行く人の視界を塞いでいるとも言われているようですが、想像するとコミカルと言うより、かなりグロテスクです・・・って、どんだけ袋でかいんだよ ⁉
 
大分県佐伯市には七曲りと言う坂道に小豆とぎと共に現れるぬりかべの民話が、臼杵市には夜道に黒い壁が立ち塞がる「壁塗り」の話が伝わっているようです
 
壱岐島にはヌリボウ(塗坊)と言う似た妖怪がいて、夜の山道で山側から突き出すのだそうです。出る場所は決まっており、色々な言い伝えがあると柳田國男氏が著作で述べていますが、ヌリと名前に入っているものの、形態がよく判らず、ぬりかべとはちょっと違うのでは? と言う人もいます
 
 
ぬりかべは身近にいる? いつも遭っている?
 
水木氏はぬりかべは気が動転している時に現れると示唆しています。つまりパニック状態になった時に身体が思うように動かせなくなる現象と言えるのかもしれません
 
ところで皆さんは、仕事中に書類を探して、どこに紛れたのか分からなくなってしまったり、一日の売り上げの集計をしている時に両替金がどうしても合わなくて原因が分からず、途方に暮れてしまったりという経験はありませんか? 一人でいる時、そして疲れている時等に多いのですが・・・
 
そんな時は、一晩寝て、翌日に探したり、数えたりすると、すぐ出てきたり、合ったりするものです
 
これもぬりかべ現象に近いかもしれません。だとしたら私はしばしば小さなぬりかべに遭遇していると言えるかもしれません・・・・・って、だらしないだけだったりして!?
 
 
 



怪しい少年少女博物館の駐車場のつつじの様子 平成30年4月26日撮影

 




 

今年は気候のお陰か、色々な花の花付きが良いようです。つつじはもう盛りを少し過ぎてしまったかと思いますが、伊豆高原では、まだまだ四季折々の花々が楽しめますよ~ 。是非遊びにいらして下さいね!


 

 

次回もお化けや妖怪のネタが続く予定です