「緋色の街(スカーレット・ストリート)」(1945年作品)感想 | 深層昭和帯

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映画、ドラマ、アニメ、特撮など映像作品の感想を中心に書いています。

フリッツ・ラング監督によるアメリカのサスペンス映画。出演はエドワード・G・ロビンソン、ジョーン・ベネット、ダン・デュリエ。

 



<あらすじ>

中年サラリーマンのクリス・クロスは、女優を名乗る娼婦のキティ・マーチを助けた。クリスもまた自分は金持ちの画家だとウソをついた。クリスを誑し込んだキティは、高級アパートを借りさせた。金遣いの荒い娼婦のために、妻が前夫死亡時に受け取った保険金、会社の金に手を付けてしまう。

趣味で絵を描いていたクリスは、妻がうるさいのでキティのアパートに絵を運び込んだ。彼女はこれを売ろうとした。そこでクリスが有名でないことを知った彼女は絵を預けるが、それが美術評論家の目に留まった。絵を預かった男は、キティが作者だと偽った。クリスの妻は、キティの名を冠した絵が夫の英と酷似しているので、夫を贋作として詰った。

その妻のところに死んだはずの夫が姿を現した。クリスはこれでキティと結婚できると喜んだ。アパートに駆け付けると、キティはジョニーと性行為中だった。怒ったクリスはキティを殺してしまう。クリスは現場を脱出。ジョニーが殺人犯として逮捕され、クリスは汚職がバレて会社を馘首になった。

ジョニーは死刑になった。クリスはふたりの人間を殺した罪の意識から、精神がおかしくなって自殺未遂を起こし、ホームレスに転落した。そのころ、彼が描いた「キティの肖像画」は大変な高値で取引されていた。

<雑感>

脚本の妙でスリリングに仕上がっている。一方でこれはやりすぎなんじゃないかとも思ってしまう。おそらく1945年ごろは、これくらい込み入って筋が通った脚本は少なかったはずなので、評価は高かったはずだ。現在は脚本家の数が増えて質が低下していると思われる。

☆4.5。脚本家が書いた脚本家を主人公にした映画は最悪である。エドワード・G・ロビンソンはマジ名優。