奇蹟・鬼籍の名俳優~天本英世 | VBCテレビブログ放送

奇蹟・鬼籍の名俳優~天本英世

当局がリスペクトしている俳優をマッタリと語るシリーズ。今回は故・天本英世さん。(享年77)

数々のドラマ・映画に出演し、「たけし・逸見の平成教育委員会」(フジテレビ系/'91~'97年)のレギュラー解答者としても人気を博しましたが、大のスペインフリークで自ら『自由主義者・無政府主義者』を公言し天皇制を否定する左翼系の性格でしたが、これは徴兵先で将校からヒドいシゴキを受けた故、致し方なかったのかもしれません。

しかし、晩年の風貌そのものが既に既成概念にとらわれない『自由主義者・無政府主義者』的な雰囲気が感じられましたよね。何かと型にはめたがる現状の芸能界では、こういった風潮の人はなかなか受け入れられないでしょうねぇ・・・。

特撮ドラマでは、主人公以上にインパクトのある悪役を演じられていたのも特徴的でしたが、風貌そのものが異世界の悪役的な雰囲気でしたからね・・・爽やかな役柄は、殆ど記憶に御座いません。

当局が見てきた刑事ドラマでも大半がクセのある役柄ばかりで、流石に"死神博士"は無いものの小難しそうな教授役とか政治結社の影の黒幕役とか、無理して役作りをしなくても既にキャラクターが出来上がっている様な雰囲気を醸し出していました。

野球選手でいえば、ブルペンで5球程度投じただけで試合に緊急登板出来るリリーフ投手みたいな・・・。

性格俳優でもあったのかとは思いますが、これまた似たり寄ったりな風貌のイケメン俳優ばっかり取り揃えた今時のドラマではアクが強過ぎて、起用するのが逆にためらわれていたかもしれませんね。

今時のドラマって、特撮モノも含めてとにもかくにも"女性ウケ"が出来ないとダメになってしまったのが、イコールテレビ業界そのものもダメにしている元凶であるとも思えます。大半の女性だと、流石に天本英世さんよりもキムタクとかの方がいいでしょうし、ちょっとでも薄気味悪い俳優が出ているドラマは敬遠してしまうでしょう。

そこなんですよねぇ・・・新しいワインもあれば古いワインもあるというように、ワイン同様テレビも余裕をもって楽しむべきものなのですが、今の人達ってテレビ業界と視聴者を含めてそういった余裕が無い。イケメンばかり追い求めてしまうから、天本英世さんの様な"性格俳優"が育つ余地がすっかり無くなってしまったんですよねぇ・・・。

だから、似たり寄ったりなイケメン俳優ばっかりはびこるようになってしまい、ドラマが"消耗品化"してしまったという。現状のテレビ界では、天本英世さんも喜々として仕事が出来る環境ではないと思います。

女性上位社会でテレビのチャンネル権も女性が握る様になったことで思わぬ弊害が生じているのも感じるものの、男性諸氏も"質より量"的な数だけ異様に多い女性アイドル集団目掛けて発狂しているので、どとのつまりは"視聴質"の低下が問題なのだとは思います。


改めて、ツマらない時代になり下がったなと。






若かりし頃の天本英世さん。晩年の雰囲気からは全く想像出来ません・・・。