豊竹始太夫氏
豊竹始太夫(とよたけ・はじめだゆう)
本名 高橋尚人(たかはし・なおと)。
文楽太夫。
昭和四十二年(1967年)九月六日生まれ。
平成四年(1992年)豊竹嶋太夫に師事し文楽太夫となる。
平成三十年(2018年)二月十日心筋梗塞で死去。五十歳。
二月十二日朝日新聞で始太夫さんの訃報を聞き、吃驚しまし
た。「そんな!なんでや」と思わず、心の中で叫びました。始太夫
氏は渋い声と堂々たる体格で、数々の名演を聞かせて下さいま
した。
芸域は廣かった。『仮名手本忠臣蔵』「七段目」の一力茶屋亭主
のおかしみは印象的です。
国立文楽劇場で観劇し感動し、帰路の日本橋駅で切符を買っ
たら、スーツを着込んだ、大柄で太めの体格で禿頭の紳士が、自分
に会釈されました。「どなたかな?」と思ったら、始太夫師匠でした。
無名の一ファンに過ぎないセブン如きの者の顔を覚えて下さって
一礼して下さった。
感激で胸が熱くなりました。
「お疲れ様でした」とセブンは一礼し申し上げました。
これからの文楽を背負って立つ方だった。
悔しいです。
同年のファンのセブンは師匠の語りの素晴らしさを語って行きます。
豊竹始太夫師匠は永遠です。
合掌