〈その1〉
〈その2〉
そんなこんなで、今回はようやく、成田亨(なりたとおる)について。
※本稿の前に、↑このリンクは読んでいただいた方がいいですよ。
ヒューマンのデザインは、
ウルトラマンや、
↑上下どちらも、後年に描き直されたもの。
左右対称に開いた足のポーズが、氏のデザイン画の特長。アニメ絵の設定ポーズに毒される以前の構図。
↓成田亨はカラータイマーに反対だったので、自らのウルトラマン像には決して描き込まない。
ウルトラセブンの
↑実物のマスク造形とは、依然として大きな隔たりがある。
↓銀と赤を決定稿とは逆転させた案。ネコパンチみたいな拳のポーズが、これまた成田チック。
平面デザインを手がけた、
前衛芸術家、画家であり彫刻家の成田亨氏によるものである。
↓こちらはヒューマン2号。
ウルトラマン(1966)、
↑製品を若干改良しているので、あくまでもご参考までに。
ウルトラセブン(1967)を、
デザインしたほどの人が、
「セブン」から5年後の1972年には、裏番組の「仮面ライダー」の影響があるとはいえ、わずか13回で終了したステージショー(「8時だョ!全員集合」みたいな公開放送形式)
ザ・ドリフターズ 結成40周年記念盤 8時だヨ ! 全員集合 DVD-BOX (通常版)
posted with amazlet at 11.06.24
ポニーキャニオン (2004-01-07)
売り上げランキング: 11229
売り上げランキング: 11229
のデザイン担当とは、都落ちの感が否めないが、
こちらの記事をまとめると、
成田亨は、最初は円谷(英二)親父のためならと、ノリノリでデザイン作業をしていたが、個性の強い集団なため、互いの意見が折り合わず、結局嫌気がさして突然スタッフを離脱。
デザインの権利は自分にあると主張するも、円谷プロは、「みんなの共同制作だから」とこれを認めず、結局最後まで関係は修復しなかったらしい。
どのスタッフでも、自分が関わった点が一番作品に貢献したと思いたい。
だから成田は、ヒューマンの出来にご満悦だったという。
しかし、客観的に見て、成田デザインは先鋭的でぶっ飛びすぎていて、そのままでは若干ブキミ。
マンとセブンは、後輩の佐々木明と立体で最終的な煮詰めをして初めて、子供に親しめ、直感的にカッコイイと言えるものに落ち着いたが、
ヒューマンって、ほとんどザラブ星人、
つまりヒーローよりも、敵のイメージだし、
意図的に映り込みするミラー状の素材がカッコ良くなるのは、
ようやく20年も後の、『ターミネーター2』(1991)のT-1000だったし。
線が単純化されていない、初期稿の顔って、
↑初期稿を元にした、小学館の学年誌のバッジ各種。
『007 美しき獲物たち』(1985)のグレース・ジョーンズとか、
美しき獲物たち (デジタルリマスター・バージョン) [DVD]
posted with amazlet at 11.06.24
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン (2007-08-25)
売り上げランキング: 21890
売り上げランキング: 21890
『デモリションマン』(1993)の
ウエズリー・スナイプスとか、
デモリションマン [Blu-ray]
posted with amazlet at 11.06.24
ワーナー・ホーム・ビデオ (2011-01-26)
売り上げランキング: 3537
売り上げランキング: 3537
今だったら、じょんて★もーにんぐ(Jonte☆Moaning)とか、
に通じるセンスで、日本での追随例は、いまだにゼロ。
※あくまでも私個人の感覚です。
時代の先取りも、その加減が難しいわけですな。
私の『突撃! ヒューマン!!』の話は、これでおしまい。