Acustik-Lab Stella Opus | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。

 

 

Acustik-Lab Stella Opus スピーカーシステム スイス連邦 1999年 ¥980,000

 

 

 

 

星くずの煌めき

 





静電型に匹敵する過渡応答に優れた特性を持ちながら、ダイレクトラジエーター型の
ダイナミックレンジを実現。現代的な透明感(高S/N比)と明晰さを聴き手に訴えかける、
高性能でありながら芸術的なトランスデューサー、細密画のような繊細さでありながら
彫琢の深い描写力は鋭角的な切れ込みのよさがあり、古典的なあいまいさを嫌った、
硬質でシャープ、ヴィヴィットな音。円満な音色には輝かしさがあり、潤いと温もりがあり、
熟成されたワインのように醸し出す豊潤さ、気品のある濃密な雰囲気で、
デリケイトで清楚、そして可憐な美音である。若い少女たちをみるような
多少にぎやかなところがあって、アンサンブル(重奏)や歌唱をうねるような
ドラマティックな高揚感を伴って再現する。どの音にも魂がある。
線描画的に描かれるフォーカスのよい音場の広がりが両のスピーカーから後方
展開する音場型だ。管や弦がのびやかに宙に浮かび上がる空間感のよさも抜群である。
精巧なつくりのよさが見事に音に反映されている。想像を越えた堂々たるサウンドは
不足感が一切ない。ダイナミック型のメリットをそのままにコンデンサー型の
精密サウンドは最先端のハイエンドモデルと比べても性能差が少ない。
ただ強力なダブルボイスコイルとリジットに固められた硬いキャビネット、
仮想同軸(スタガー駆動ではない)によるダブルウーファーは容易に
鳴らし切れるものではなく、Stella Opusを本気で鳴らし切るためにはアンプに
軽く100万円以上の投資を要求するが、セッティングのシビアーさはそれほどなく、
HARBETHやDALIのような容易さで比較的手軽に心地よい音を引き出すことが
出来るのは、設計者ゲルハルド・シュナイダーが試聴室での厳格な音決めを好まずに、
狭い部屋や天井の高いところなどいろいろなシチュエーションでの
部屋で聴きこむことによって音を詰めていく独特なチューニング方法により実現している。
Stella Opusはロングストローク(高振幅)ダブルボイスコイルの16cmダブルウーファーで
バイオセルロース逆ドーム型広帯域ツィーターを挟み込むバーチカルツイン方式を
採用したトールボーイ(フロアー)型、底部には5ℓのクォーツサンドを充填して
振動モードのコントロールと同時に、転倒防止の安定性を高めている。

 

 


 

 

 

 

 

engineer Gerhard Schneider

 

 

 

 

"格別の魅力を放つ"再生音でありスピーカー、

 


Stella Opus(星くずの作品)を手に入れて感じたのは物凄い満足感である。
写真では伝わり辛いが、スイスメイドによる精巧な作りのよさや仕上げの美しさも
また格別のものであって、所有する喜びや愛着を強く感じさせるものである。

 

 

Opusは駆動力のないアンプで鳴らすとややリファレンス的なつまらない音に

聴こえることが有る。下位モデルの二機種よりユニットの負荷が重くなり

キャビネットが堅牢なためだ。その為鑑賞前のPAD SYSTEM ENHANCERの

使用とバイワイヤリングでの接続と駆動力のある現代的な音質の真空管アンプで

駆動を推奨する。スピーカーケーブルは高純度銀線がよいと思う。音場型なので
潜在能力を最大限発揮させるためには足元を堅実に固めてスパイクや
インシュレーターを吟味し、スピーカーの間にラックなど物は一切置かず
スピーカーの左右と後方の壁との距離はじゅうぶんに取りたい。

KIT HITのスーパートゥイーターはマッチングと付与効果がすこぶる良好であった。

 

 

メインのJBL K2 S9500が喰われそうだと真剣に考え込んだが、数日聴きこんだあと
K2に戻るとその心配も杞憂だったかなとホッとひとつ安堵できた。だが、
寒色で硬質なJBLはアンプの力なくしてこのような官能的な音色は望むべくもない。
いまのところこのモデルがリプレイスされる気配はまったくなく、
永年のパートナーとついに巡り逢えた運命的な出会いを感じる。

 

 

もちろん、どちらかひとりを選ぶことは難しそうである。

 

 

 

 

 

 

ゲルハルド・シュナイダー氏はスピーカーシステムの開発を終了し、

スイスの首都ベルンに新たにリクエスト・オーディオ社を設立し、

現在はデジタル・ミュージックサーバーの開発と販売を手掛けている。

 

 

 

 

方式     2ウェイ・3スピーカー・バスレフ方式・トールボーイ型・防磁型
使用ユニット     低域用:16cmコーン型×2
高域用:3.5cm逆ドーム型
周波数特性     33Hz-25kHz -3dB
クロスオーバー     3.2kHz
音圧レベル     89dB/m/W
入力レベル     200W(ミュージック)
インピーダンス     8Ω
仕上げ     ラッカー仕上げ:ポプラ、ピアノブラック、エラブルレッド
マット仕上げ:ピアー、オーク
外形寸法     幅250×高さ1010×奥行320mm
重量     38kg