東映やくざ映画のエポックメーキング的な作品『仁義なき戦い』(73~75、全5部作)において小心狡猾な親分・山守義雄を見事に演じ切って人気者となった金子信雄(1923~1995)は幼少期から20歳まで結核のために闘病生活を余儀なくされる(44年横須賀海兵団に入営するも、即日帰郷)
43年文学座に入団。46年東宝制作の『浦島太郎の後裔』で映画初出演。若い頃は二枚目であった。50年代後半から日活アクション映画において悪役を演じるようになり、日活アクション物が下火になると、今度は東映作品(主に任侠、やくざ物)で狡い上に、セコくて、スケベな悪役を多く演じるようになる。
忙しい合間をぬって文学座(52年退団。翌年岡田英次、木村功らと青年俳優クラブを結成)俳優座に客演したり、66年には新演劇人クラブ・マールイ(ロシア語で丸いという意味)を結成している。
ネコさん(金子信雄さんのあだ名)を語る上で忘れてはいけないのは、芸能界一の食通、料理通であること‼️
ネコさんと親交のあった"タイちゃん"こと殿山泰司氏は、料理人としての腕前を絶賛している。テレビ朝日にて長く放送された『金子信雄の楽しい夕食』を記憶されている方も少なくないと思う。
妻は文学座の女優丹阿弥谷津子。実は料理以外では文学にも精通し、女性についても詳しく(!)『好色十三月夜』なる著書、一読すると艶笑噺のようだが、実は男女の関係の真髄に迫った名著(迷著?)である。
ネコさん、テレビ時代劇にも出演されていたが、さすがに斬られ役はなかった。
ネコさんの滑稽なまでに粘っこい悪役芝居(有名な山守組長など)その実は緻密なまでに自身の演じる役柄をとことん掘り下げているように感じられ、そこにネコさんの高い知性とホンモノの教養が見て取れる。
ネコさんの濃厚にして緻密な芝居、なんて魅力溢れる名優だろう
桃太郎(高橋英樹)と
藤岡琢也と
なべおさみと
「トリオ・スカイライン」(知っている人、いるかな~)の小島三児と
野川由美子と
日活ロマンポルノにも出演していた絵沢萠子と
セクハラも絵になる・・・嫌みのない微笑ましさ
右に仁志川峰子(西川峰子)
時代劇&刑事ドラマでよく見かけた千野弘美(せんのひろみ)と
『必殺』シリーズ、『2時のワイドショー』でお馴染み吉本真由美と
玉川スミ(三味線漫談家、落語芸術協会参与)と