内田朝雄 | 松平蘭之助令和日記

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政財界の黒幕、暴力団の長老、あるいは組長、資産家といった大物役を一手に引き受けた感のある内田朝雄(1920~1996)は朝鮮平壌の生まれ。中学卒業後、満洲炭鉱傘下の東満和竜炭鉱に入社するが、41年応召。終戦時は輸送用潜水艇の艇長(中尉)だった。

 

45年9月に復員し、その後酪農の世界で身を立てようとするも挫折。51年大阪にある宇部興産に入社。58年退社。

 

退社後は本格的に役者を志すようになり、多くの映画作品に出演。特に東映やくざ映画における黒幕役は堂々とした風格と、どこか人の好さを感じさせる魅力があり、それがきわどいストーリーのなかで一服の清涼剤の役目を果たしている。

『実録私設銀座警察』(東映73)の実業家役は、壮絶なリンチを受けた後、最期は殺されて豚のエサとなる・・・🐖ヒドい、むごい・・・えーん大泣き笑い泣き

 

他には日米合作の『トラ・トラ・トラ!』(70)では東条英機に扮し、例の甲高い声の調子で役に成りきる。『男はつらいよ・花も嵐も寅次郎』(松竹82)における旅館主人役の滋味豊かな芝居も忘れ難い。

 

素顔は温厚(悪役の方は大概そうである)宮沢賢治の研究家としても知られ、著書もある。

 

小学校時代はガキ大将で鳴らした内田氏、中学に進学してから猛烈な読書家となり(後年それが俳優を志す芽になったという)そのせいか、芝居にもどこか高い教養と知性が感じられ、決して下品に堕することがなかったですネうさぎのぬいぐるみ

 

テレビ時代劇では悪役だけでなく、頑固だか根は優しい善人に扮することもあり。

望月真理子と

やはり黒幕役(元老中とか大商人)も少なくなかったグラサングラサン

 

篠ひろ子と

大木実と

右端に田口計