すみません、またまた佐藤雅彦さんからのお話引用。
(知れば、知るほど佐藤雅彦さんのスゴさに感服しちゃいます)
まずは、以下の図をご覧ください。
どうでしょうか?
よく見ると「左を見よ」と書かれているのですが、初めは矢印の通り右を見ちゃいませんでしたか?
もう一回見てみても、なんとなく右に目が言っちゃいそうになりませんか?
これは、
表現要素として矢印という記号が、文字よりも情報を伝える力がある
ということなんですね。
では、次の図はどうでしょう。
何の説明も無しに漠然とみると、正11角形と思う人が多いかもしれませんが、
実際は頂点が1個足りない正10角形なんですね。
これは、図形の情報を読み取るのが面倒で、文字情報を読み取る方が楽だからなんです。
言い換えると、この図では、
文字情報のほうが、図形情報よりも強い
ということなんですね。
先ほどとは、逆な訳です。
佐藤雅彦さん曰く、
「どんなメディアにおいても、さまざまな情報の要素に力関係が生じる」
と述べています。
誰かに何かを伝える際に、どんな要素(文字/記号/色/音とか)を使うのが、
いちばん効果的であるのかを考えるのってとても大切なこと
なんですねー。
コピーライターだからといって、情報の要素の力関係を無視して文字情報に固執するってのは、
広告コミュニケーション屋としては本末転倒なことなんだと認識いたしました。
(デザイナーから見て、その逆もしかり)
題名の「情報を伝える力は、コピーとヴィジュアルどちらが強い?」
の問いに答えるならば、ケースバイ・ケースって答えになるのかな。
ただ、佐藤さんはこんなことも言っています。
「一般的に、記号や図形の方が、文字よりも情報訴求力が大きいことが多い」
あぁ、トイレのマークなんかも、文字情報より図形のほうが情報訴求力が大きいですね。
男性マークをピンク、女性マークをブルーにすると、間違って入る人が多発するんだろうな。
最近、「わかりやすい情報」と「わかってしまう情報」の違い
は何だろうと考えているのですが、なんか、この文章を書いていてちょっと思いついたことがありました。
次回は、その「わかりやすい情報」と「わかってしまう情報」の違いについて書いてみようと思います。
毎月新聞
著:佐藤雅彦