徳之島2世 盛山文科相就任を祝福

盛山正仁文部科学大臣(同氏事務所提供)


「大臣就任」祝福の横断幕と、親戚の田原廣秀さん=29日、天城町瀬滝


天城町当局との交流も続く(提供写真)

両親の出身地に横断幕
「古里忘れず、発展に全力尽くしたい」

 【徳之島】13日に発足した第2次岸田再改造内閣で文部科学大臣に就任した盛山正仁氏(69)=自民・衆院比例近畿ブロック。両親の出身地である天城町瀬滝をはじめ徳之島3町役場には〝徳之島2世〟の初入閣、大臣就任を祝福する横断幕や懸垂幕が登場した。盛山大臣は「恐縮です。古里のことを忘れず徳之島や奄美、鹿児島の発展に今後も全力を尽くします」と感謝した。

 盛山文科大臣(兵庫県西宮市出身)は、天城町瀬滝出身の故・盛山勲さん、妙子さん夫妻の長男でいわゆる〝徳之島・天城町・瀬滝2世〟。灘中、灘高から東京大学法学部第3類卒、神戸大学大学院法学研究科博士課程修了の法学博士。夫人で秘書の路子(みちこ)さん(69)は第66代衆院議長・田村元氏の長女だ。

 1977年に運輸省に入省。環境省地球環境局総務課長、国土交通省総合政策局情報管理部長を経て、第44回衆院選挙(2005年9月)に兵庫1区から自民公認で初出馬し、当選して政界入りした。

 第45回総選挙で下野した際には、武庫川女子大学教授、環境創造協会の研究員なども歴任。『生物多様性100』や『観光政策と観光国推進基本法第2班』『バリアフリーからユニバーサル社会へ』『環境政策入門』など多数の著書がある。

 第46回総選挙(12年12月)で返り咲き、後は法務大臣政務官、法務副大臣兼内閣府副大臣、衆院厚生労働委員長、自民国対委員会筆頭副委員長などを歴任。そして今回の内閣改造で初入閣を果たした。現在衆院議員5期目。

 「兼久集落の敬老会(18日)で『地元出身2世の大臣の誕生はすごいこと。みんなに知らせて祝うべきだ』と話題が沸騰。祝福看板の話が持ち上がった」と話すのは、盛山大臣の両親の親戚にあたる元天城町議の田原廣秀さん(73)だ。田原さんらの呼び掛けに瀬滝集落をはじめ町内外の有志たちが呼応。集落の拠点・瀬滝地区構造改善センター沿いをはじめ、天城町役場、徳之島町役場、伊仙町役場の各計4か所に横断幕や懸垂幕が掲げられた。

 盛山大臣は、奄美新聞の電話インタビューに「横断幕を作っていただき非常に恐縮しています。私が中学3年生の時に父が亡くなり、高校生の時に母と訪れて以降数回来島しました」と話す。数年前には天城町当局など関係者と懇親会を開くなど交流が続いた。

 非公式ながら環境・観光政策面では専門家の立場とあって、「徳之島や奄美大島は沖縄の日本復帰に伴って素通りされだしたが、それゆえに貴重な大自然が残った。まさに〝塞翁(さいおう)が馬〟で世界自然遺産にもなったと思う」と分析する。徳之島は「コロナの5類移行で、観光やスポーツを含めて人の往来が増えると良いと期待している」とも。

 文科大臣として「教育分野ではこれまで情報化、ICTオンライン教育も推進。学校数は増やせないが、必要分野の授業はオンラインでカバーすることもできると思う」。 その上で「ふるさとのことを忘れずに、徳之島や奄美、鹿児島の発展をこれからも考えて全力を尽くしたい」と述べた。