2006/12/02 ジャノヒゲの種




 小春日和。少し風が吹くと沢山の落ち葉が降ってきます。ハラハラ、サラサラ、ガサガサ…色々な音を聞きながら歩いていると、落ち葉の間にコロンとひとつ、見覚えのある玉が!
すぐ傍にあるジャノヒゲの細い葉を両手で持ち上げると、鮮やかなコバルトブルーの玉が姿をあらわしました。

 これはミ(果実)ではなく、タネ(種子)。 ジャノヒゲは、花が終わって実をつくりはじめると、すぐに実の皮(果皮)が破れてとれてしまうそうです。
タネが露出したまま成熟するとは、珍しい植物ですね。


 青い皮を爪で切り離すと、青臭い匂いがして、中から半透明の白い玉が出てきました。
この玉にはデンプンなどの栄養分は少なく、大部分が繊維質で出来ているそうです。
野鳥に食べてもらうために、見かけを大きくしてアッピールしているわけですね。
美しく目立つ色も、やはり野鳥にアピールするためとか…。
ジャノヒゲの企みに乗って、シロハラ、アカハラ、レンジャクなどの野鳥がこのタネを食べます。

 上左の写真は中から出てきた玉で、「ジャノヒゲの弾み玉」とも呼ばれます。
ためしにコンクリートの道路に投げつけてみると、頭の高さまで跳ね返ってきました。
これなら子供が遊ぶのに充分使えそうです。
 上右の写真は、弾み玉をナイフで切ってみたところ。
内部にも半透明の繊維質がつまっています。 堅くて爪で割ることは出来ませんでした。


 未成熟なタネは水色や白色、黄緑色と色とりどりです。
葉は幅5mm、長さ30cm位。 ジャノヒゲという名前は、この葉を「蛇のヒゲ」に見立てたものだそうです。(蛇にヒゲがあったかな?)