『カンザスシティ・ロイヤルズ』 MLB球団紹介 ア・リーグ中地区

ここまでア・リーグ東地区に属する5チームを紹介してきました。次はア・リーグ中地区の5チームを紹介していきたいと思います。

今回はカンザスシティ・ロイヤルズを紹介したいと思います。

【チームロゴ】

こちらがロイヤルズのロゴです。

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KCというのが本拠地のあるカンザス・シティを意味しています。

Royalという英語は『国王、国王の』などといった意味がありますが、ロイヤルズというチーム名はカンザスシティで1899年から行われている『アメリカン・ロイヤル』というお祭りの名称から由来しているそうです。

【本拠地】

ロイヤルズの本拠地はミズーリ州・カンザスシティにあるカウフマンスタジアムです。

こちらがカンザスシティの地理的な位置です。

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こちらがカウフマンスタジアムです。

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『The K』と呼ばれたり、『ロイヤルズスタジアム』と呼ばれることもあるようです。

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1973年に開場したスタジアムです。当初はロイヤルズスタジアムという名前だったのですが、初代オーナーを務めたユーイング・カウフマンの功績を称え、1993年にカウフマンスタジアムという名前になりました。

1955から1967年までカンザスシティ・アスレチックスがカンザスシティに本拠地を構えていましたが、1967年シーズン後にアスレチックスはオークランドへ移転します。1969年のリーグ拡大時、MLBに新規参入したのがカンザスシティ・ロイヤルズです。この時ロイヤルズと共に参入したチームはシアトル・パイロッツ(現:ミルワーキー・ブルワーズ)でした。

【オーナー】

オーナーはデイビッド・グラスです。

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こちらのグラスさん、なんと元Wal-Mart(ウォルマート)のCEOです。Wal-Martは売上世界一の小売店です。1988年から2000年までWal-MartのCEOを務めていました。

1993年に初代オーナーであるユーイング・カウフマンが亡くなった後にロイヤルズの経営に携わり、後にロイヤルズの中で強い発言権を持つ存在となります。そして2000年にロイヤルズの単独所有権を取得しオーナーとなります。

1994-1995年にかけてMLB選手による大規模なストライキが行わられます。MLBオーナーサイドがサラリーキャップを労使協定に組み込もうとしたためです。この際にグラスは徹底して選手会の主張に反対しました。さらには、ストライキ中にプレーしない選手たちを入れ替えて、ほかの選手たちにプレーさせようと試みました。ストライキ中に労働者を入れ替えたりするようなことは法律で禁止されています。

そして1993年以降グラスがリーダーシップを執るようになってから、ロイヤルズ全体の選手年棒が大幅に削減されます。これによりグラスは利益を生み出します。Wal‐Mart で培ったコスト削減の強みを活かした経営とも見て取れますが、1980年代に勝てるチームであったロイヤルズを1990-2000年代にかけて勝てないチームに変えてしまった、とチーム経営の面では非難されています。

強豪時代であった1970-1980年代にかけて、ロイヤルズは地区優勝6回、リーグ優勝2回、ワールドシリーズ制覇1回(1985年)という成績を残しています。

長く不振が続きましたが、2014年シーズンはワイルドカードでポストシーズン進出、リーグ優勝を果たします。ワールドシリーズではサンフランシスコ・ジャイアンツに敗れてしまいました。

【GM・監督】

GMはデイトン・ムーアです。

Kansas City at Chicago White Sox

大学時代は野球部に所属していたそうです。ジョージメイソン大学のスポーツ経営学修士号を取得しています。在学中から卒業後の数年間は、ジョージメイソン大学の野球チームのアシスタントコーチを務めます。ちなみに幼少期のころからロイヤルズのファンだったそうです。

その後、1994年にアトランタ・ブレーブスのスカウトとして働き始めます。2005年にブレーブスのGM補佐となり、2006年にロイヤルズのGMに就任します。

監督はネッド・ヨストです。

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過去には6年間、選手としてメジャーリーグでプレイしていました。

その後コーチ業などを務め、2003年にミルワーキー・ブルワーズの監督に就任します。2008年、ブルワーズから解雇され、2010年からロイヤルズの監督となっています。

【日本人選手】

昨年まで青木宣親選手が所属し、ロイヤルズ復活の立役者としてワールドシリーズでも活躍しました。現在はロイヤルズがワールドシリーズで敗れた相手、サンフランシスコ・ジャイアンツでプレイしています。

こちらの写真はリーグ優勝を果たした後のシャンパンファイト直前の様子です。

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その他には野茂英雄選手、マック鈴木選手、薮田安彦選手が過去にロイヤルズに所属していました。

こちらロイヤルズに所属していた時のマック鈴木選手です。

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こちらは野茂選手です。

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こちらが薮田選手です。

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【主力・注目選手】

ローレンゾ・ケイン

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29歳

外野手

2014シーズンは133試合に出場。28盗塁、打率.301の成績を残しています。

2015シーズンが始まり、3番打者として絶好調のケイン選手。打って、走って、守れる選手です。今年のロイヤルズの主軸打者となりそうです。

サルバドール・ペレス

MLB: Spring Training-Chicago White Sox at Kansas City Royals

24歳

捕手

昨シーズンは150試合に出場し、17本塁打、70打点の成績を残しています。若いペレスが今年どれだけの成績を残すか注目されています。

グレッグ・ホーランド

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29歳

リリーフ投手

ロイヤルズのクローザーです。昨シーズンは防御率1.44、46セーブという成績を残しました。

【戦力構図】

2014年のロイヤルズのチーム成績を見るとリリーフ投手陣の活躍が際立ったようです。それに加えてチーム打率もア・リーグ全体で2位の成績でした。投手陣はエースのジェームズ・シールズをFAで失い、先発1番手の投手を失うことになってしまいました。

かつては選手にお金を遣わないことで知られていたロイヤルズですが、2015シーズンのチーム別選手年棒を見ると、MLB全体で16番目に位置し、約135億円(1ドル=120円で計算)を選手年棒として支出しています。2011年には約35億円程度のチーム年棒でしたが、2012年に約76億円、2013年は103億円、2014年は110億円のチーム年棒となっています。球団経営、MLBのビジネスそのものが拡大している証拠ともいえるでしょう。

以下がFAによってロイヤルズから移籍した選手です。

〈FAによる流出選手〉

ジェームズ・シールズ(先発投手)

ビリー・バドラー(DH)

青木宣親(外野手)

ラウル・イバネス(外野手)

ジェイソン・ニックス(外野手)

以下はロイヤルズが獲得したFA選手です。

〈獲得したFA選手〉

ケンドリス・モラリス(DH・1塁手)

アレックス・リオス(外野手)

エディソン・ボルケス(先発投手)

クリス・ヤング(先発投手)

クリス・メイドン(先発投手)

ジェイソン・フレイザー(リリーフ投手)

ヨハン・ピノ(先発投手)

〈スターティングラインナップ〉

こちらは4月17日の対オークランド・アスレチックス戦のスターティングメンバーです。

*()内は昨年の成績です。

1.(SS)アルシデス・エスコバー(打率.285/本塁打3/打点50/出塁率.317/長打率.377)

2.(3B)マイク・ムスターカス(打率.212/本塁打15/打点54/出塁率.271/長打率.361)

3.(CF)ロレンゾ・ケイン(打率.301/本塁打5/打点53/出塁率.339/長打率.412)

4.(1B)エリック・ホズマー(打率.270/本塁打9/打点58/出塁率.318/長打率.398)

5.(DH)ケンドリス・モラレス(打率.218/本塁打8/打点42/出塁率.274/長打率.338)

6.(LF)アレックス・ゴードン(打率.266/本塁打19/打点74/出塁率.351/長打率.432)

7.(C)サルバドール・ペレス(打率.260/本塁打17/打点70/出塁率.289/長打率.403)

8.(RF)パウロ・オーランド(出場試合が少ないため記録なし)

9.(2B)オマー・インファンテ(打率.252/本塁打6/打点66/出塁率.295/長打率.337)

本来、右翼手にはアレックス・リオス(打率.280/本塁打4/打点54/出塁率.311/長打率.398)が入っていましたが、現在故障者リスト入りしています。

ジャロッド・ダイソン(打率.269/本塁打1/打点24/出塁率.324/長打率.327)とオーランドがリオスの穴を埋める形になっていくようです。

〈先発投手〉

エースであったジェームズ・シールズがFAで移籍したため、ベンテュラが先発1番手となります。先発ローテーションは以下の5人になる見込みです。

ヨルダノ・ベンテュラ(183.0回/14勝10敗/防御率3.20)

ダニー・ダフィー(149.1回/9勝12敗/防御率2.53)

エディソン・ボルケス(192.2回/13勝7敗/防御率3.04)

ジェイソン・バルガス(187.0回/11勝10/防御率3.71)

ジェレミー・ガスリー(202.2回/13勝11敗 /防御率4.13)

〈リリーフ投手〉

クローザーはホーランド、セットアップがデイビスという勝ちパターンのリレーが予想されています。

グレッグ・ホーランド(62.1回/防御率1.44/46SV)

ウェイド・デイビス(72.0回/防御率1.00/3SV)

ケルビン・ヘレーラ(70.0回/防御率1.41/0SV)

ジェイソン・フレイザー(47.1回/防御率2.66/0SV)

クリス・ヤング(165.0回/防御率3.65/0SV)

フランクリン・モラレス(142.1回/防御率5.37/0SV)

ライアン・マドソン(記録なし)

以上がカンザスシティ・ロイヤルズの紹介になります。現在ロイヤルズは10試合終えて8勝2敗と素晴らしいスタートをきっています!

次回はデトロイト・タイガースの紹介をしたいと思います。

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