カラダの相性もキモチのバイブレーションもピッタリな村田と友香。恋人関係という肩書を取っ払った自由な友=フリフレに!>『こういうのがいい』第2話

Ⓒ双龍/集英社・ABC

ABCテレビ(関西)で放送中、TVerとDMM TVで配信中のドラマ「こういうのがいい」。第2話の『ラブホ帰りに』は、第1話でラブホテルへ行った村田元気(西山潤)と江口友香(田中美麗)が、ベッドの上で朝を迎えるところからスタートする。

チェックアウトの時間が迫り、眠っている村田に「目覚めよ」と声をかけながらシーツをめくると、村田の股間部分が円錐形にそそり立っている。「めっちゃ、目覚めとる! ムラタングのムラタング〜!」と嬉しそうな友香のアップと股間のツーショットに痺れた。股間を映さずにセリフだけでも伝えられるが、男性の生理現象をきちんと撮っているところに、地上波ドラマで「性」や「性行為」を正しく明るくポップに描こうとする、制作陣の気合いが伝わる。

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「やり疲れ」でお腹が減った2人は、ファーストフード店へ。ここでは、元彼からの「エロ制限」から解放された友香が、店内の防犯カメラの死角の席だと確認してから「パイチャレ」に挑戦する。村田にだけ見えるように生チチを出すというしょーもないおふざけなのだが、このシーンではリアクションをする村田の驚きの表情だけで、パイチャレ成功を雄弁に表現していた。西山は、やりすぎないリアクションが実に達者だ。

1年ほど前に恋人と別れ、最近引っ越しをした村田と友香。その住まいが偶然同じ路線で2駅隣というところに、友香が「行くのがちょい面倒い距離が、テリトリー確保されていい感じ」と言うように、2人はお互いに縁を感じる。「端っこの席が好き」「同棲もルームシェアも無理」など、体の相性以外にもいろいろな価値観が合う2人は、「今日みたいに時々遊べたらいい感じだな」(村田)、「わかりみよ、こういうのがいいかも」(友香)と、タイトルとなるセリフを交わす。

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続くエピソード『フリフレ初夜』では、2人が自分たちの関係に「フリフレ(フリーダムフレンド)」と名付ける夜が描かれる。村田は初めて行った近場のファミレスで、バイト中の友香に偶然再会し、越してきてからいまだに片付いていない荷解きを手伝うために、その夜友香の部屋に行くことに。

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村田と出会ったことで、元彼の呪縛から完全に解放されて、自分のやりたいようにやるスイッチが入った友香。彼女の見た目の変化も、第2話の大きな見どころだ。元彼が好みそうな長い黒髪をばっさり切り、ピンク色のボブヘアに。デニムのサロペットの下にタンクトップ1枚だけというコーディネートが、映画『ベティ・ブルー』(`86年)のベアトリス・ダルを彷彿とさせるくらい魅力的だ。

作業を終えて出前の寿司をつまみながら、最近元彼から(おそらくエッチ目的なのに食事をしたいと言ってくる)ラインが来るのがダルいという話から、2人の会話が核心に迫っていく。

友香「回りくどいお誘いや、振る舞いは嫌いなんじゃ。したいならしたいって言えばまだマシだよ……でもかといって体だけの関係も虚しいし、恋人って肩書きも求めてない」

村田「なんかわかるわー、セフレとは少し違う感じの関係っつうか」

友香「なんつーか、エッチも気軽にできて束縛のない自由な友っていうか」

村田「セックスフレンドじゃなくてフリーダムなフレンドか」

友香「フリーダムフレンド、略してフリフレ!」

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自分たちの関係にしっくりくる「解」を見つけてスッキリした2人は、さっそくフリフレ初夜に突入する。第1話でもそうだったが、基本モードが元気で明るい友香が、合体モードに切り替わる瞬間にしっかりとフェロモンを出してくれるので、村田も見ているこちらもすんなりとベッドシーンに移行できる。また、コンドームを各々で用意するあたり“フリフレの中にも礼儀あり”な2人の信頼関係を感じさせるシーンだと感じた。

ちなみに前回の体位は正常位で、今回は騎乗位だ。合体シーンで終わるのが毎話のお約束だとして、おそらく毎回違う体位にチャレンジし、マンネリに陥らないようにすると思われる。また、今回は友香がなぜか喘ぎ声のように「ピ! ピ!」と笛を吹いていて苦笑いしてしまったが、次の “フリフレ演出”にも心のどこかで期待している自分がいる。

〈文・須永貴子〉

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