我々のバスは敦賀半島の海岸線をさらに北上する。<br /><br />芭蕉がその寂しさを、須磨の海岸に勝ると感じた色が浜に続く海岸は、牡蠣だなが浮かび、数艘の漁船が垣間見え、海水浴シーズンが終わっている所為か、寂しいとは云わないまでも、静かな美しい海辺の風景が広がっていた。<br /><br />先日須磨を訪れ、源氏物語の光源氏ゆかりの現光寺を訪ねてみた。<br />　<br />須磨に比べれば"色の浜"は現在も寂しく、烏賊釣り漁船は何艘も繋留されていたが、海岸で出会ったのは、一人で小舟にペンキを縫っている少年と、海岸の堤防で釣り糸を垂れる大人だけであった。<br /><br />芭蕉の奥の細道での”侘しき法花寺”とは本隆寺のことで、日蓮宗の寺であっため法花寺（法華寺）と記したと思われる。<br /><br /><br /><br />芭蕉はこの寺に宿を取ったと云うのが通説らしい。<br /><br />ここには”寂し塚”なる場所があり、芭蕉の句碑の他、芭蕉が種が浜（色が浜）訪問を切望した元となった西行の歌碑もある。<br /><br />　　汐そむる　ますほの小貝拾ふとて　<br />　　　　色の濱とは　いふにやあるらん　　西行<br /><br /><br />　　寂しさや　須磨にかちたる濱の秋芭蕉<br /><br />ここには他にも芭蕉が種が浜で詠んだ句が残る。<br /><br /><br />　　小萩ちれ　ますほの小貝小盃　　　　　芭蕉　<br /><br />　　浪の間や　小貝にまじる萩の塵　　　　芭蕉<br /><br />我々も"ますほの小貝"を探しに海岸の砂浜に降りた。<br /><br /><br />＊参考<br />家族旅行’2013冬08大阪への途上立ち寄った源氏物語の光源氏の侘び住いとして描かれたとされる須磨の光現寺<br />http://4travel.jp/traveler/shintch/album/10745987/<br /><br />

奥の細道を訪ねて最終回（第16回）17敦賀散策その８西行が詠み芭蕉が「源氏物語」の「須磨」の段に準えた”種の浜（色の浜）”と本隆寺

2いいね！

2012/10/20 - 2012/10/20

403位(同エリア474件中)

#街歩き

関連タグ

#散歩・散策

旅行記グループ奥の細道を訪ねて最終回（第16回）その１福井から大垣まで（目次）

WT信さん

フォローする

WT信さんTOP
旅行記2005冊
クチコミ0件
Q＆A回答10件
1,344,976アクセス
フォロワー16人

我々のバスは敦賀半島の海岸線をさらに北上する。

芭蕉がその寂しさを、須磨の海岸に勝ると感じた色が浜に続く海岸は、牡蠣だなが浮かび、数艘の漁船が垣間見え、海水浴シーズンが終わっている所為か、寂しいとは云わないまでも、静かな美しい海辺の風景が広がっていた。

先日須磨を訪れ、源氏物語の光源氏ゆかりの現光寺を訪ねてみた。
　
須磨に比べれば"色の浜"は現在も寂しく、烏賊釣り漁船は何艘も繋留されていたが、海岸で出会ったのは、一人で小舟にペンキを縫っている少年と、海岸の堤防で釣り糸を垂れる大人だけであった。

芭蕉の奥の細道での”侘しき法花寺”とは本隆寺のことで、日蓮宗の寺であっため法花寺（法華寺）と記したと思われる。

芭蕉はこの寺に宿を取ったと云うのが通説らしい。

ここには”寂し塚”なる場所があり、芭蕉の句碑の他、芭蕉が種が浜（色が浜）訪問を切望した元となった西行の歌碑もある。

　　汐そむる　ますほの小貝拾ふとて　
　　　　色の濱とは　いふにやあるらん　　西行

　　寂しさや　須磨にかちたる濱の秋芭蕉

ここには他にも芭蕉が種が浜で詠んだ句が残る。

　　小萩ちれ　ますほの小貝小盃　　　　　芭蕉　

　　浪の間や　小貝にまじる萩の塵　　　　芭蕉

我々も"ますほの小貝"を探しに海岸の砂浜に降りた。

＊参考
家族旅行’2013冬08大阪への途上立ち寄った源氏物語の光源氏の侘び住いとして描かれたとされる須磨の光現寺
http://4travel.jp/traveler/shintch/album/10745987/