2013/01/12 - 2013/01/12
103位(同エリア592件中)
ころっつさん
海によってまわりから隔絶された島には何となく昔から魅力を感じていたので、これまでにもいくつかの島をめぐってきました。
今回は以前から気になっていた瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島の中心地・本島に残る伝建地区の笠島集落と重要文化財指定の丸亀城を訪れました。
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JR特急 自家用車
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塩飽諸島の本島に向かいます。島なので当然船に乗って行くのですが、本州側・児島観光港から旅を始めます。
児島観光港は、JR児島駅から歩いて3分ほどの立地で、港前には船利用者用の無料駐車場も完備されています。 -
1日4便が運航の六口丸海運で出港。9時30分発の便には、乗客は20人足らずというところでしょうか。以外にも観光客らしい人が大半でした。
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瀬戸大橋の下をくぐり、出港から25分で、揺れることもなく本島港に到着。
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港近くには、観光案内所があり、島の観光地などを紹介したパンフレットなどを手に入れることができます。また、軽食がとれる店も併設されています。
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島内にはコミュニティバスが走り、レンタサイクルも借りることもできるのですが、今回は港から笠島集落まで2キロほどの道のりを歩いて行くこととしました。
笠島集落へ山を越えていく途中にある空家の壁には鏝絵が施されてあり、よ〜く見ると目の部分には光るように電球が入れられています。 -
小さな峠を越えて、笠島集落に入ってすぐの場所にある専称寺。
法然上人が四国に流される際に、数か月滞在したという場所に建てられた寺院です。 -
専称寺の前には立派な石でできた標柱が。これは島を支配した年寄・吉田彦左衛門の墓で、国指定史跡でもあります。
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港から歩いて30分足らず、坂を下っていくと姿を見せはじめた笠島集落。思っていた以上に素晴らしい!雰囲気を持つ集落のようです。
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塩飽諸島は、かつて塩飽水軍として活躍した人々の本拠地となった場所で、ここ笠島はその要害として発展した集落です。江戸時代に入った後も塩飽の人々は、各地で船大工や船方として活躍しましたが、その繁栄を伝えるまちなみが残っています。
ちなみに太平洋を日本人により初横断した咸臨丸の水夫の多くも塩飽諸島の島民だったそうです。 -
石畳がまっすぐと続き、町家がその両側に立ち並んでいます。
笠島は、国の重要伝統的建造物群保存地区にも島嶼部の集落としては、はじめて指定された立派なまちなみなのです。 -
電柱も撤去されたまちなみ。
歩いている人はほとんどおらず、本当に静かなまちです。 -
笠島集落の建物は、江戸時代後期から昭和初期の格子窓と土壁による町屋形式のものが多く立ち並んでいます。
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こちらは公表されている旧真木邸の内部の様子です。
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旧真木邸の向かい側にある真木邸は伝建地区の中心にあり、江戸時代の建築でまちなみ保存センターとして機能しています。なまこ壁が特徴的です。
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こちらも雰囲気のある邸宅なのですが、どうも空家となっているようです。
笠島集落だけでなく、歩いてきて感じたのですが、本島では至るところで空き家が見られ、過疎化がかなり進んでいるようです。 -
虫籠窓を持つ町屋も多くあります。
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本当に静かな集落です。しかし、時折それを突き破るように聞こえる轟音−瀬戸大橋を渡る列車の音が、ここまで響いてくるのです。
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昔ながらの丸ポストが立っています。伝建地区はゆっくり歩いてまわっても1時間もあれば十分な感じです。
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地区内を海岸に沿って東西に横切るのは、「マッチョ通り」と呼ばれる笠島集落のメイン通りです。「まちや通り」がなまってこんな名前になったそうです。
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東西のマッチョ通りと、本島港から続く南北に伸びる東小路の交差点。昔ながらの町家がすぐれた景観美を醸成しています。
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集落でみかけたねこ。
海の近くの集落には、ねこが多く生息しています。 -
笠島漁港近くには、石造りの常夜塔が残っていました。
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暖かな瀬戸内の冬を感じさせるみかん。
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町家のところどころの格子戸には、まちなみを彩るように、竹筒に飾った花がかけられています。
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町家のほとんどは妻入ではなく、平入の建物が多くなっています。
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昔ながらの、まちなみを楽しみに、歩きに来る人もいるようです。
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古い空家を活用した民宿「やかた舟」。最近にオープンしたようで、予約していると魚介の昼食も楽しめるとのことでした。
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笠島集落を後に。帰る途中にすれ違った手押し車をゆっくりと押す、腰の曲がったおばあちゃんの姿が、過疎が進む離島の現実を知らされたようで、非常に印象的でした。
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笠島集落と本島港のほぼ中間点にある国指定史跡「塩飽勘番所」に立ち寄りました。
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塩飽勘番所は、塩飽水軍として活躍した島民が、江戸時代に自治を認められ、島々を統治した政庁だったところです。
受付のおばちゃんに入場料200円を支払い、見学します。 -
塩飽諸島1,250石を治めた船方衆は大名に対して「人名(にんみょう)」と呼ばれ、その中から選ばれた年寄が統治していました。その建物を公開しています。
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中には、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など歴代の時の権力者の朱印状や塩飽の歴史を語る古文書などが収蔵展示されています。
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縁側に置かれている石箱は、江戸時代に徳川家からの朱印状が保管されていたものです。
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観光案内所で出港までの時間つぶし。使用済みであろうタコつぼも売っているのですが、2,000円…買う観光客もいるのでしょうか…。
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本島港からの帰りは四国側の丸亀港へ向います。所要時間は35分、本島汽船航路は、車も積載できるフェリーでした。
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丸亀港へ到着。歩いて駅を越えて、昼食を食べに行きます。丸亀駅から続く商店街の中にあった古い建物は休憩所として活用されています。
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空き店舗となっている商店街のシャッターに貼ってあった丸亀PRのポスター。丸亀は婆沙羅大名として知られた京極高次の子孫が入城した城下町であったため、それにちなんだポスターも作られています。
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駅の中にある観光案内所で紹介してもらった商店街のうどん屋「手打ちうどん・つづみ」で昼食とします。もう一つの丸亀の名物・骨付鳥の店の紹介を願ったのですが、日中の空いている店舗は駅に近くになく、お姉さんに「香川はうどん県として売り出していますので…」と紹介してもらった店舗です。
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1時半を過ぎていたので、店内は閑散としていました。お店の人のオススメの「婆沙羅うどん」なるぶっかけうどんを注文。大きな2匹のエビが、婆沙羅大名・京極高次の兜をあらわしているとのことです。
エビ、うどんともに、ご当地讃岐にふさわしい歯ごたえのある逸品でした。 -
こちらは器が2つに分かれた双子うどん。5つの薬味の中から自分が好きな2つをチョイスできるという人気メニューです。
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うどんで満腹になったので、歩いてすぐの丸亀城に向かいます。
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丸亀城は数少ない現存天守のひとつで、3重の高石垣の頂点に築かれています。江戸時代初期に一国一城令により廃城となりますが、讃岐一国を支配し、高松城を居城としていた生駒氏がお家騒動の改易に伴い、西讃岐の拠点として、その後入城した山崎氏、そして幕末まで支配した京極氏6万石の居城として再建されたものです。
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大手一の門をくぐるとある大手二の門。櫓門となっていますが、櫓内には時を知らせる太鼓が置かれていることから、太鼓門とも呼ばれています。
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天守がある標高66mの位置まで急坂を登っていきます。
三の丸の石垣は高さ20m以上を誇り、扇の勾配と呼ばれる曲線美をみせてくれます。 -
三の丸まで上がると霞んでいますが、きれいな形をした讃岐富士と呼ばれる飯野山が見えます。
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3層3階の天守閣は、四国で最も古いもので、重要文化財に指定されています。
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天守内部を見学することができます。内部にはユーモラスな鳥と天狗の面が飾られています。
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かなりの急階段を上っていくと天守最上階に到達。かなり狭いですが、丸亀市街地や瀬戸内海の眺望を楽しむことができます。
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天守の破風には、京極家の家紋があしらわれた瓦が使われています。
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天守見学を終え、大手門まで下りてきて、振り返ります。石垣の美しさが有名で、さすが「石の城」とも呼ばれる名城だけあります。
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商店街を通り、駅に向かう途中で見つけた菓子処・甘月堂。銘菓・丸亀城などを販売していますが、看板に惹かれて、今回はイチゴ大福をゲット。
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丸亀から出発地の児島までは、瀬戸大橋を渡るJR四国の特急しおかぜに乗って戻りました。
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この旅行記へのコメント (4)
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- 旅猫さん 2013/02/23 10:00:39
- 丸亀城!
- ころっつさん、こんにちは。
瀬戸内海の島々は魅力的ですよね。
もっと近くにあれば毎月でも行きたいのですが。。。
笠島という集落は、国の重要伝統的建造物群保存地区なのですね。
指定されるだけあって、落ち着いた雰囲気のある日本らしい街並みですね。
こんな感じ、大好きです。
電柱がないのが最高ですね。
そして、猫ちゃんもいて♪
丸亀は、高校の修学旅行で行きました。
うちの高校は、本当に修学旅行で、私の班は、丸亀の団扇の研究でした。
最近まで、その時に作った団扇が残っていました。
丸亀城も訪れましたよ。
あの急な石垣、懐かしいです。
旅猫
- ころっつさん からの返信 2013/02/24 21:22:48
- RE: 丸亀城!
- 旅猫さん、こんばんは。
そうですね。瀬戸内海の島々は魅力的なところが多いですね。
その中でも塩飽諸島は前から気になっていたところでした。
瀬戸内らしく、もう少し冬の晴れた日の旅にできればよかったのですが…。
笠島集落は時がゆっくり流れていて、帰りのフェリーの時点でもう一度訪れてみたいと思っていました。
丸亀に修学旅行ですか?
団扇が特産品ですもんね、そんな研究を兼ねた真面目な?修学旅行もあるのですね。
ちなみに昨日は職場旅行で、1か月半ぶりに丸亀に再訪してきたところです。
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- ぺでぃまるさん 2013/01/21 23:43:28
- 渋い!
- ころっつさん、こんばんは〜
これは渋いトコを攻めましたね!
塩飽諸島の伝建地区は、私の本拠地からは距離があって行きにくいのです。
吹屋といい行きたくても行けないのがもどかしいのですが、ころっつさんの旅行記で脳内旅行してます。
こうして伝建地区を見返すと、関西以西がほとんどですね。栄えた観光地もあれば、このように過疎に悩むむかし町もある…
昔ながらの町もやはり人あってのことなので悩ましいですよね。
この前に地味に加賀橋立というかなり渋い伝建地区歩いてきましたが、そこも寂しい雰囲気がありました。
我々観光客で、少しでもこのような町が活気を取り戻してくれればと切に思います。
ぺでぃまる
- ころっつさん からの返信 2013/01/22 23:44:20
- RE: 渋い!
- ぺでぃまるさん、こんばんは.
いつもありがとうございます。
塩飽諸島は渋いですか?
古いまちなみを歩くのが好きなので、伝建地区めぐりは私の旅のテーマのひとつでもあります。塩飽を訪ねたのも笠島集落を歩いてみたいと思ったためです。
陽射しがキツイ時期を避け、あたたかい冬の晴れた日を狙ったつもりでしたが、少し曇った天気で、青い空と海が堪能できなかったのは残念でした。
素敵なまちなみでしたが、こうしたまちは、ぺでぃまるさんが言われるように過疎化で衰退していくところが多く、先行きが心配です。
「加賀橋立」は一度立ち寄ったことがありますが、あそこもかなり渋い町ですね。
同感です。観光で少しでも支えることができれば…と思いますね。
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