2012/06/11 - 2012/06/11
308位(同エリア575件中)
シベックさん
野生ランの中で、最も美しいランだとも言われるホテイラン。この花を知ったのは、30年ほど前のこと。図鑑や写真で見て一目ぼれ。その後、その存在を忘れかけていました。
この春、葦毛湿原の山道で偶然出会ったお爺さんとの雑談で、ホテイランの話が出て昔のことが蘇ってきました。そして思い切って見に出かけることに・・。
亜高山帯の樹林内で咲くホテイラン。
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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-
ワチガイソウ
標高1.800mあたり、沢の道端にちらほら咲いていた花。
花を上から見ると柴色の葯が白い花びらを背景によく目立ちます。
花は、ヒゲネワチガイソウのようにも見えるが、葉が広く花弁の数が5弁なので、ワチガイソウかと思われます。
似た花が幾つかあるので、まぎらわしい・・。
関東地方以西〜四国・九州の山地の林縁などに生え、高さ5〜15cm。花期は4〜6月で花弁が白く5枚あり、雄しべの葯が柴色の花を咲かせる。 -
コミヤマカタバミ
明るい林道から、鬱蒼と茂る針葉樹林帯に入ると環境は一変。湿気が多く、ひんやりとした空気・・。苔が岩や倒木を覆っている。
ミヤマカタバミより小型で、花茎がスラリと伸びた白花のコミヤマカタバミが一面に群生していた。 -
ホテイラン咲く
亜高山の針葉樹林下に生える多年草。
中部地方以北の本州に、まれに分布する野生ラン。
基本種は、北半球の亜寒帯に広く分布している。
名前は、膨れた唇弁を布袋(ほてい)様の
腹に見立てたと言われます。 -
ホテイランの保護
ホテイランの自生地には、
登山道が中央を通っていました。
定かでない登山道と自生地とを明確にするために、
グリーンロープで区画されて、
個体調査の札が付けられ、
盗掘と歩行者の踏みつけを防ぐための
処置がなされていました。
ボランティアの方々のご努力に感謝し、
ロープ内には入らず、
踏みつけないよう足元を注意しながら
散策をしました。
この日、見回りのボランティアの方にも
お会いしたので、お話も伺った。
八ヶ岳ホテイラン保護活動
http://araikazuya.blog97.fc2.com/blog-entry-986.html -
横から見るホテイラン
布袋蘭の花は思っていたより小さく、艶やかなピンクの色と、羽ばたくような萼片と側花弁のたたずまいが、なんとも言えず愛らしく、「森の妖精」と言うイメージがぴったり。
布袋様のお腹のような・・とは、ちょっとかわいそう。 -
ホテイラン
ラン科の多年草で、
1枚の葉と1本の花茎をつける。
葉は楕円形で長さ2.5〜5cm、
裏面は紫色を帯びる。
5〜6月、高さ10cmほどの花茎の先に、
花を1個やや下向きに開きます。 -
斜面で咲くホテイラン
-
林内のホテイラン
ホテイランは、環境省絶滅危惧種であり、
長野県特別指定希少野生動植物種。
分布は中部地方の亜高山帯に限られ、
数カ所に分布するが、個体数は極端に少ない。
八ヶ岳には、かつて比較的まとまった
個体数があったが、
現在、急激に減少しているそうです。
絶滅の危険性としては、園芸採取(盗掘)が主で、
踏みつけなども原因だと言われています。 -
コミヤマカタバミ
亜高山帯に咲く清楚な
コミヤマカタバミの白い花。
針葉樹林内の林床は、温度が低く、
針葉樹の落ち葉が油脂を含むため
分解が遅く厚い腐植層が
堆積しています。
コミヤマカタバミは、
この厚い腐植層に地下茎を伸ばして
生育しています。 -
ホテイラン
布袋蘭(ホテイラン)は、その美しさから
「白雪姫の7人の小人」だとか、
「森の妖精」
あるいは、
「亜高山帯の貴婦人」などとも呼ばれています。 -
ホテイラン
フカフカの苔マットの上で、
のびのびと育つカタバミとホテイラン。 -
ホテイラン
苔と小深山傍食(コミヤマカタバミ)の
中に咲く布袋蘭(ホテイラン)。
花冠の径は約3cm、淡紅色で美しい。
萼片と側花弁は同形、
狭披針(きょうひしん)形で開出します。
唇弁は、スリッパ状の袋になり、
2裂する距(きょ)があります。 -
苔むす樹林内
鬱蒼と茂るトウヒの針葉樹林帯。
布袋蘭は、こんな環境下で健気に咲いていました。
本州中部では、海抜1.500〜2.500mあたりが
亜高山帯だと言われます。
主にトウヒ、シラビソ、コメツガなどの
高木で、マツ科の常緑針葉樹が生育す樹林帯。
落ちて堆積した葉が厚く積もって
フカフカの苔むす樹林内。
自然林のため、倒木も朽ちた木も多い。
薄暗く、湿度が多くて、独特の環境です。 -
コミヤマカタバミ
カタバミの仲間は、葉が睡眠運動をすることで知られており、花を咲かせる時期を過ぎると、蕾だけを出し、咲かずに実を結ぶ閉鎖花をつける植物。
スミレも同じように、花期のあと閉鎖化をつけ実を結ぶ。
このような花には、他にもキッコウハグマなどにも見られます。 -
ツバメオモト
フカフカの苔のマットを敷き詰めた
岩の上で咲くツバメオモト。
ツバメオモト(燕万年青)は、
ユリ科ツバメオモト属の多年草。
花期は5-7月。
花は白く、開花時にはやや下を向く。
花片は6枚で、長さ10-15mm。
花後にできる球形の実は、
濃い藍色をしています。
この実を、飛び交うツバメになぞらえて
名がついた。 -
岩場で咲くホテイラン
-
ホテイラン
-
ホテイラン
森の中、沢山のコミヤマカタバミと共生。 -
林内のコミヤマカタバミ
ヨーロッパやアジアの一部に自生するカタバミ属の植物。春にピンクがかった白く小さな花を咲かせる。まれに赤や紫の花も見られる。
葉は、中央に線の入ったハート型の三枚の葉を持ち、茎は赤褐色で、夜間や雨の日には花や葉は閉じる。 -
キバナノコマノツメ
黄花の駒の爪。
亜高山帯の林床に生え、見られる山域も比較的広い。
日本以外でも周北極圏の亜寒帯に広く分布する。 -
キバナノコマノツメ
渓流の端で、飛沫がかかりそうな岩場に咲いていた黄スミレの仲間。
暗い色の森にあって、太陽を正面に受けて目立っていた。
数多いスミレの中で、スミレの名のつかない唯一のスミレで、丸い葉の形が駒(馬)の爪に似ていることからつけられたそうだ。 -
シロバナヘビイチゴとフデリンドウ
丘陵地で地肌の覗く、日当たりのよい場所に咲いていた小型のリンドウ。シロバナヘビイチゴの群生地で見かけた。
低地に生える春のリンドウは3種ほどあるが、ほかの種はどれも、根元に皿のような根生葉があるが、フデリンドウはこの根生葉がないので、識別の目安になるそうだ。 -
フデリンドウ・筆竜胆
リンドウ科の多年草。茎の高さは5〜10cm。
茎葉は密接して対生し、広卵形で質は厚く、
縁は白色で小さな突起がある。
根出葉は花期にはない。
3〜5月、茎上部に1〜8個の花を、
日を受け上向きに咲かせる。
花冠は青紫色、裂片の間に副片がある。
丘陵地から山地の
雑木林や野原に生える。 -
ミヤマカラマツ
道端で咲き始めたばかりの深山唐松(ミヤマカラマツ)。
キンポウゲ科カラマツソウ属の多年草。5〜8月頃の山地の樹林などに生息し、高山で多く見られる。白色の花を咲かせる。
カラマツソウの花糸が棒状になるのに対し、ミヤマカラマツはこん棒状となり付け根は細い。 -
サンリンソウ
道端の緩い傾斜地で群生する小さな白い花。
一輪草や二輪草とは葉の形や、班もない。
初見の花・・。 -
サンリンソウ
山道脇の草地に咲いていた三輪草。
イチリンソウとは、
花びらも葉もかなり違います。
ニリンソウには葉柄がないのに対し、
サンリンソウには葉に柄が付いています。
まだ咲き始めたばかりなのか、
三輪咲くものは見つからず、
一輪が咲き蕾が一つ付いているものばかり。
日本では北海道、本州の中部地方以北に分布し、
亜高山帯やブナ帯の
森林の林縁や林床に生育する。
サンリンソウは
花が1〜4個付くと言われます。 -
ミヤマスミレ
コミヤマカタバミの群生の中に咲く赤紫色のスミレ。
山地の林内に生える多年草。地上茎はなく、葉は卵心型で、波状の鈍鋸歯がある。
花は小型で、径は2cm以下。側花弁は無毛。
花は、普通あざやかな紫色で細弁のものが多い。 -
シロバナヘビイチゴ
黄花を咲かせるヘビイチゴの仲間ではなく、果物の苺(オランダイチゴ)の仲間。
低山帯〜高山帯の日当たりのよい草原や礫地に生え、高さ10〜15cmになるバラ科の多年草。葉は3小葉で平行脈がよく目立つ。花茎の先に径1.5〜2.5cmの白色の花を数個つけ、花弁は5枚。果実は赤く熟し、美味しいらしい。
別名は、モリイチゴ。 -
カエデの一種
日当たりがよく湿度の高い
沢沿いに生えていたカエデ。
葉は柄が長く5裂して、しわが麻の葉を
連想させるアサノハカエデのようですが、
花は房状に長く、淡紅色の5弁で、
ウリハカエデのようでもあり・・・。
同定不能・・・。
念願だった憧れのホテイランにも会え、
多くの山野草にもめぐり会えた
八ヶ岳山麓の散策・・。
天気もよく、満足な一日になりました。
また、訪れたい八ヶ岳山麓でした。
往復走行距離452km。
〜end〜
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 旅猫さん 2012/06/27 16:48:36
- ホテイラン!
- シベックさん、こんにちは。
ホテイラン、素晴らしいですね!
こんなに小さな花だとは知りませんでした。
美しい花ですね。
自然の中で咲いているのを見られるなんて。
フデリンドウもいいですね。
好きなんですよ、この花。
どこでも会えるのですけどね。
旅猫
- シベックさん からの返信 2012/06/27 19:18:26
- RE: ホテイラン!
- 旅猫さん、こんにちは!
早速のご訪問ありがとうございます。
以前から、見たいものだと思っていたランでした。
背の高さは10cmほどの小さなもので、淡いピンク色が綺麗ですが、
何しろ小さくて、群生しているわけでもないので、森の中にあっては意外と目立ちません。
花を見つけられず、「どこに咲いていますか?」・・と、何人かの人に尋ねられてしまいました。
私もこのときが初見でしたが、何度も写真を眺めていましたので、
直ぐに一つ目の花をを見つけた後は、いくつかの株を新たに見ることができました。
薄暗く、湿気の多い森の中で咲く花ですが、綺麗なランの花に感激しました。
>フデリンドウもいいですね。
好きなんですよ、この花。
どこでも会えるのですけどね。
空色の花は、私も好きです!
地肌の見える日当たりのよい場所に咲いていました。
ハルリンドウより、いくらか小ぶりの花が、いいですね!
シベック
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