2023年度
南日本文学賞は郷土の文芸振興を目的に1973年創設。
鹿児島県在住または出身者などの小説・評論、詩の中から最も優秀な作品に贈られます。
公開選考会
入場無料
日時
2024年32日[土] 午後2
場所
南日本新聞会館 みなみホール 【アクセス】
鹿児島市与次郎1-9-33 TEL:099-813-5053
選考委員
選考委員の3氏が候補作の中から受賞作を決めます
青来 有一 (せいらい・ゆういち)
1958年長崎市生まれ。95年に小説家デビュー後、2001年「聖水」で芥川賞、07年「爆心」で谷崎潤一郎賞など受賞。元長崎原爆資料館長。長崎大学核兵器廃絶研究センター客員教授。近著に「フェイクコメディ」(電子版のみ)、「小指が燃える」。南日本新聞「日曜随想 朝の文箱」を22年4月から執筆。長崎市在住。
町田 康 (まちだ・こう)
1962年大阪府生まれ。97年に「くっすん大黒」でドゥマゴ文学賞、野間文芸新人賞、2000年「きれぎれ」で芥川賞、02年「権現の踊り子」で川端康成文学賞、05年「告白」で谷崎潤一郎賞など。詩人でもあり、01年に「土間の四十八滝」で萩原朔太郎賞を受賞。パンクバンド「汝、我が民に非ズ」のボーカルとしても活動する。静岡県在住。
三角 みづ紀 (みすみ・みづき)
1981年鹿児島市生まれ。東京造形大学在学中に現代詩手帖賞、2005年第1詩集「オウバアキル」で中原中也賞、06年刊「カナシヤル」で南日本文学賞と歴程新鋭賞。14年「隣人のいない部屋」で萩原朔太郎賞を史上最年少で受賞。朗読や作詞など多彩な表現に取り組み、16年4月から「南日詩壇」選者も務める。北海道在住。
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南日本文学賞贈賞式 小説・徳常喜さん「戦地の命へ心寄せた」、詩・奥山紗英さん「書きたい風景求める」

(2024-03-29)
南日本文学賞を受けた小説・文芸評論部門の徳常喜さん(右)と詩部門の奥山紗英さん=29日、鹿児島市の南日本新聞会館
南日本文学賞を受けた小説・文芸評論部門の徳常喜さん(右)と詩部門の奥山紗英さん=29日、鹿児島市の南日本新聞会館
 小説・文芸評論と詩の2部門で公募した2023年度南日本文学賞(南日本新聞社主催)の贈賞式が29日、鹿児島市の南日本新聞会館であった。小説「わたしをこわさないで」で受賞した奄美市の教員、徳常喜(とく・つねき)さん(50)=本名・榊典子=と、詩15編の作品群「破片ちゃん」で選ばれた鹿児島市の会社員、奥山紗英さん(24)に、賞状と賞金20万円が贈られた。

 受賞者あいさつで、徳さんは戦禍のウクライナで暮らす親戚に触れ、「今日命があることや原稿に『了』を打てることは奇跡に等しい。私も日常を生きようと、絶たれた命に心を寄せながら応募した」と振り返った。昨春、東京の大学を卒業して帰郷した奥山さんは「鹿児島には詩に書きたくなる風景が多く、帰ってきてからどんどんいい詩が書ける。(地元の)鹿児島市だけでなく、県内各地を巡ってみたい」とさらなる創作意欲を語った。

 南日本新聞社の佐潟隆一社長は「いずれも読ませる作品で新たな書き手を発掘できた。人間の孤独や葛藤、他人との関わりによるしんどさなどこれからも書いていってほしい」と激励した。

 南日本文学賞は1973年に創設され、通算52回目。今回は作家の青来有一氏と町田康氏、詩人の三角みづ紀氏の3委員が選考した。
主催 南日本新聞社