AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)主催イベント「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 会場の模様

「エコロジー」「エコノミー」「セーフティ」をバランスよく

日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)主催イベント「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 会場の模様(オリエンテーション)

 9月7日日曜日、厳しい残暑が残る都内・東京ビックサイトで「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」が開催された。このイベントは、日本自動車ジャーナリスト(AJAJ)主催により2002年より続くもので、安全運転とエコロジーな運転を普及させる目的で開催されている。テーマに掲げたのは「母と子」。そのため、親子で楽しめる安全講習となっている。
 まずレッスンの始めに登場したのは、CORISMでもお馴染みセーフティドライビングの達人こもだ きよし氏。「エコロジー」「エコノミー」「セーフティ」この3つがバランスよく成立してこそ、安全でエコな運転の極意であることが告げられた。何も難しいことじゃない。クルマに乗ってエンジンを掛けて、それからシートをあわせベルトを装着・・・そうではなく、乗員全員の安全な着座・ベルト装着を確認し、いざ出発する直前にエンジンスタートすることで、結果として安全でエコでしかもガソリン消費も減らせるエコノミーな運転になる、というコトなのだ。
 ガソリンが高いと嘆く前に、無駄なアイドリングを少しでも減らす努力も忘れちゃいけない。シンプルなハナシだが、しかしなかなか実現出来ていないのではないだろうか。うーん、改めて勉強になります。

「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」レッスン風景)

今日は遠慮なく「ガツン!」とブレーキを踏み込んでみよう!

「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」レッスン風景)

 続いて屋外の特設コースで実際のクルマを用いたメインプログラムが実施された。ここでのテーマは「いざという時の急ブレーキ」。事故を未然に防ぐためのアクティブセーフティ、ABS(アンチロックブレーキ)やESC(横滑り防止装置)の体験をするのだ。急ブレーキを体験した人の中には、ABSの作動に驚いた方もいるだろう。ブレーキペダルにガガガッと反力が生じるのだが、それはすなわちABSが正常に作動している証拠。しかし中には驚いてブレーキを緩めてしまったり、あるいはそもそも踏み込みが甘くて作動しなかったりして、本来の性能を発揮出来ないケースもあるのだという。これは特に今回の参加者である女性に多いようだ。やはり男性よりも踏み込む力が弱い女性。また、中には思いっきり踏んじゃったら壊れちゃうのでは?などと考えてしまう人も多いようだ。
 「今日は遠慮なくガツンとブレーキを踏み込んでみてください!」との講師の声に勇気付けられたようで、真剣に取り組む参加者の顔が印象的だった。

「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ABSレッスン風景 その1)
路面にはあらかじめ水が撒かれており、乾いた状態よりも滑りやすくなっている。これによって、より低い速度域で安全に「急激なブレーキ」のレッスンを行うことが出来るというワケ。
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ABSレッスン風景 その2)
最初は遠慮がちだった参加者も、慣れてくると思いっきりブレーキを踏むことが出来るようになっていた。全ての安全運転も、まずはこのような確実なブレーキ操作が基本なのだ!
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ABSレッスン風景 その3)
最後に、片側だけ極端に滑りやすい路面とした場合のレッスン。しかしイマドキのABSはちゃんと左右のバランスも見計らってブレーキの圧力を分配してくれる優れモノだから安心して欲しい。

ESC(横滑り防止装置)の効果を"体感"する!

「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ESC体験)

 さて、ABSの後はESCの作動を体験する特別レッスン。しかし「ん、ESCって何?」という参加者がほとんどだった。これは、Electoronic Stability Controlの略。日本語に訳すと「横滑り防止装置」。滑りやすい路面において、アクセル操作などのミスによる横滑りを、左右それぞれのブレーキをバランスよく個別に適宜作動させることで未然に防止させるというものだ。その効果の高さは折り紙つきで、ESCの有無により事故が35%以上減ったというデータもあるほど。欧米では法令で標準装備化の動きもあるが、残念ながら日本ではわずか10%と普及率が非常に低い現状だ。ESCの素晴らしさをもっと広めたいとするAJAJの熱意により、この装置を体感するコーナーがこのレッスンにも設けられたのだ。
 さすがにこれはプロのドライバーによるデモンストレーションで、参加者たちは助手席に乗り込み、その違いを肌で感じていた。

「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ESC・横滑り防止装置・体験その1)
【ESC未使用の場合:その1】水で十分に濡らしたビニール製の特設路面。氷上に相当する滑りやすさだという。ここで、ESC(横滑り防止装置)を特別にカットした後輪駆動車(FR)のアクセルを全開にすると・・・。
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ESC・横滑り防止装置・体験その2)
【ESC未使用の場合:その2】パワーを路面に伝達するはずの後輪タイヤはむなしく空回り。そして荒いアクセル操作のせいで、クルマはあっという間にクルンと1回転してしまったのだ!
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「いざという時の急ブレーキ」ESC・横滑り防止装置・体験その3)
【ESCを作動させた場合】ところが、同じ動作をESCを作動させたクルマで行うとあら不思議! ESCが自動的に左右のブレーキを個別にかけ横滑りを抑制。模擬氷上を何事もなかったように駆け抜けた。

「エアバッグ」や「AED」の体験コーナーも!

 会場ではこの他にも様々なプログラムが用意された。事故にでも遭わないとお目にかかることが出来ない「エアバッグの展開」や、最近話題の「AED(自動体外式除細動器)」などの体感型デモンストレーションを始め、実に多彩なイベントを実施。いずれも、子供からオトナまで『なるほど!』と感心させられる安全やエコで満載だった。詳しくは下の画像とキャプションをご覧あれ。未参加の方もぜひ次回こそは参加すると良いだろう。詳細は下記リンク先の日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)のホームページをチェックしてみて欲しい。

「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(エアバッグ体験コーナー)
めったに体感できないエアバッグのデモコーナー。目の前で「ドーン」とエアバッグ炸裂! 耳をつんざく爆音に参加者は唖然となった。しかし実際の事故では衝突音や衝撃のほうが大きく、この音には気付かないのだというから二度驚く!
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(ロールオーバーシュミレーション)
こちらはシートベルトの効果を「身をもって」体感出来る「ロールオーバーシュミレーション」のコーナー。なんと実際の小型車を180度回転させ、シートベルトがちゃんと乗員を支えてくれることを証明してくれるのだ!!
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(大型車の視界や死角の体験)
会場には大型トレーラー車(の先頭)も持ち込まれた。前に乗用車やバイクを並べ、実際の交通を模した設定とし、おのおのからの目線や死角について体感出来るのだ。大型車から見下ろす風景は、一度体験しておいたほうが良い。
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「AED」体験コーナーその1)
04年から一般にも使用することが許されるようになった「AED」(自動体外式除細動器)。公共施設にも多く置かれるようになったが、まだまだ触れたこともない人も多いだろう。そんな方のための体感型コーナーだ。
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「AED」体験コーナーその2)
というワケで早速模擬体験。なんと11歳の男の子が実際に体験してみることに。初めて触れるという子供でも、AEDから自動的に流れる音声ガイダンスに沿って操作すれば、わずか3ステップで完了する。
「母と子の楽ラク運転講習会〜お父さんも、ご一緒に!!〜」 イベント会場の模様(「AED」体験コーナーその3)
突然の心停止。電気ショックによる除細動でもその処置が1分遅れるだけで救命率は10%も低下するのだという。それだけに一刻も早い行動が必要なのだ。AEDはその切り札として普及が進む。

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