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雑草探偵団

おっさんの雑草観察記です。花がどうとか生態がどうしたとかの科学的な興味はあまりありません。興味があるのは歴史や名前です。人との関わりや何でその名前になったのかに興味があります。その辺りを想像や仮定を交えながら書いています。個人の勝手な妄想のようなものですから、あまり信用してはいけません。また、このサイトはライブドアブログとミラーサイトになっています。何かあった時のバックアップです。

クサイとは、あんまりだ

クサイ(草藺)/イグサ科/イグサ属
在来種。花期は6〜10月。

「臭い」ではなく「クサイ(草藺)」である。「藺」は畳に利用されるイグサのことである。「イグサ(藺草)」は1m以上に成長しますが(長くないと畳に使えない)、これは15〜60cmほどです。イグサは細長く真っ直ぐにのびた葉を持ちますが、クサイの葉はイネ科の草の葉のように見え、背丈も低いし、ただの草と同じく役に立たないので「クサイ」と呼ばれます。「イグサ」になれなかったのです。どちらかと言えばカヤツリグサに似ています。
「イグサ」は北米原産といわれていて全世界に分布しているようです。日本へは遥か昔にやってきたのでしょう。「イグサ」を畳に使う場合に使用するのは花茎と呼ばれる茎の部分である。水田に植えられた「イグサ」は茎と葉が別々に生えてくるので、節のない真っ直ぐな茎の部分を畳に利用できるのである。

現代の畳の形は平安時代からだが、これは今でいうクッションのようなもので、部屋中に敷き詰めるものではなかった。室町時代の書院造りが畳の部屋の始まりで、江戸時代から庶民にも広まっていく。イグサは畳のみならず、茎の髄を行灯(あんどん)の灯芯(とうしん/火をつけるところ。紙のこよりだと思っていました)にしたり、今でも和蠟燭の芯に使われているそうです。それで灯芯草とも呼ばれていました。

家の洋風化と外国の安いイグサの輸入におされて厳しい状況のイグサ農家でしたが、質の良い材料と新しいデザインで少しずつ盛り返してきているようです。ラグ感覚の「イグサ」のクッションなどを見ていると、平安時代に戻ったようです。まあ日本人は床文化の歴史が長いですからね。

「クサイ」は漢名で「○被灯芯草」(○は漢和辞典に載っていなかった。多分中国語)といい「イグサ」と同様に行灯の芯に利用されていたと推測できます。「クサイ」はいわゆる「踏み跡植物」とも分類される草のひとつで人に踏まれた方が発育がいいそうです。麦もそうですね(麦踏み)。そういえば見つけた場所も歩道の脇でアスファルトの割れ目から生えていました。

追加&訂正:(2015.12.24)写真を追加しました。
写真&イラスト:zassouneko
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