神戸の自然シリーズ20 神戸の淡水魚 原著
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6.アカザ (ギギ科)

 河川の清流にのみ生息し、河川改修工事などで川が荒れたり水質が悪くなるといなくなる。自然度判定のよい生物指標種にされている。現在全国的に激減している小型のナマズである。

 4対8本の口ひげをもち、背びれ、胸びれに毒のある棘(とげ)をもつ。全長10cm、産卵期は5〜6月で、の石の下に寒天質におおわれた卵のかたまりを産みつける。ふだんの岩かげにひそんでいて石をのけると、びっくりして石の間をぬうように泳いで逃げ、砂れき底の中にすばやくかくれる。その様子はまさに忍者のようにパッと消えるといった方があてはまる逃げ方である。

 食性は同じ所にすむヨシノボリやサワガニの子ガニなどである。観賞魚にされるが冷水域にすむので夏場30℃をこえると弱る。

 本州、四国、九州に分布する。上流域を好む。


 神戸市内では、北区を流れる川や、武庫川に生息する。かつては有野川支流にもすんでいたが今回は発見できなかった。

 生息する川周辺では、宅地開発が行われており、その影響による汚濁が心配されている。

 清流のシンボルであるアカザをいつまでも神戸の川に残しておいてやりたいものである。


Liobagrus reini (HZLGENDORF)
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