道ばたに見る春の草たち 広瀬重夫
 ハルジオン/ヒメジョオン

写真31 ハルジオンのロゼット葉
4月,灘区.
写真32 ハルジオン
5月,中央区.


■ハルジオン
 日のあたる石垣で冬を越してきたハルジオン(写真31).中心に蕾をつけた茎がうずまっています.気温の上昇とともに急に伸びて,まもなく花をつけることでしょう.

 道ばたのブロックべいを背にヨモギ,オランダミミナグサ,アメリカフウロなどの野草に混じって花を散りばめています.この草は地面近くにロゼット葉を残したまま花どきを過ごします.地下には根をつけた茎(これを根茎という)をはわせ,芽を出して翌年にそなえます.これは北アメリカの原産です.


写真33 ヒメジョオンのロゼット葉
8月,中央区.
写真34 ヒメジョオン
6月,須磨区.


■ヒメジョオン
 写真33は,夏の終わりでこの姿ですから,10月ごろには花をつけるか,冬を越して春に咲くか,その後のようすを調べ忘れ,たしかめることができませんでした.

 写真34を見て分かるように,ハルジオンとよく似ていますので,そのちがいを表にしましたからくらべてみましょう.これも,やはり北アメリカの出身です.咲き初めはハルジオンよりあとです.


ハルジオンとヒメジョオンの区別点
花時のロゼット葉 花の時期 花の色(舌状花) 葉のつけね
ハルジオン ある 中空 白,ときにピンク 茎をだく
ヒメジョオン ない 中実 春〜秋 柄はなく直に

<表の用語説明>
中空=中がからっぽ.
中実=中がつまっている.
葉のつけねの状態については右の図を参考にしてください

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