岡山理科大学自然植物園

カゼクサ Eragrostis ferruginea (Thunb.) Beauv.

 イネ科 Gramineae

カゼクサは人里や路傍などに生育する多年草である.種子発芽率が高いためか,休耕田などで一面に広がっているのを良く見かける.根茎はなく根元が斜めになっているため,直立している種よりも遠くに種子を飛ばせることもその理由の1つと考えられる.葉と茎の境目にあたる葉舌(ようぜつ)には細くて長い毛が密集してはえているのがわかる.夏から秋にかけておしべが成熟し,その後実をつけ落として冬を越す.同属に「ニワホコリ」がある.ニワホコリとは根元が斜めに生えることと小穂の色が赤褐色であることは似ている.しかし,植物体が大きいこと,小穂が多いことで区別できる.

日本には北海道を除く,本州,四国,九州地方に分布する.

Coll. A. Ohtani  October 27, 1999