カナムグラ Humulus scandensクワ科 カラハナソウ属
 カナムグラは一年生のツル植物であり、日本全国から中国、台湾に分布している。原野や路傍、河原などの荒地に生育している。和名はツルの性質が強靭であることを「鉄」にたとえたものである。
 カナムグラの茎には丈夫な棘がついている。写真では小さな棘のようであるが、とても丈夫であり、カナムグラの生育地を調査すると、素肌の部分は大損害を被る事になる。どのツル植物でもそうであるが、棘は下向きについている。したがって、鎌などで刈り取ろうとすると、服や肌に逆らうことになる。農作業では嫌われ者の植物であり、刈り取りにはそれなりの心構えが必要である。カナムグラの戦略は、一応成功しているといえよう。
 河原では大群落を形成することがある。ダム群によって水位が安定した河原では洪水の回数が減少し、ツル植物にとっては絶好な生育地の1つとなっている。
カナムグラの葉カナムグラの棘
花が咲いたカナムグラ河原に繁茂したカナムグラの大群落

1.カナムグラ 2.雌花 3.雄花
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科