ハナイカダ Helwingia japonicaハナイカダ科 ハナイカダ属
ハナイカダ Helwingia japonica

 ハナイカダは葉の中央に花を咲かせ、実を付けるおもしろい植物である。葉を筏(いかだ)に見立て、その上に乗る花や実を筏の上に乗る人に見立てたもので、花や実を付けている姿を見れば、忘れがたい植物の1つである。日本各地の水分条件のよい場所に生育し、樹高は数mになる落葉灌木。雌雄異株であり、雄株では葉の上に多数の雄花ができるが、雌株では多くは1つの花しか付かない。雌花の花弁数は4が普通であるが、5枚の事もある。雄花の花弁数は3枚が多い。

 花の構造を見ると、花弁数が4であるミズキ科に属するとされてきたことには納得してきたが、APGVではハナイカダ科として独立された。

ハナイカダ Helwingia japonica ♀ハナイカダ Helwingia japonica ♂ハナイカダの葉 先端が伸びる ♀ハナイカダの葉 ♂
上部の鋸歯中部の鋸歯
(おそらく)雌花のツボミ 葉軸の太さに注目花弁、柱頭が4に分かれている♀花

 ハナイカダの葉に花を咲かせるという独特の性質はおもしろい。注意してみると葉柄から花までの葉脈は太くなっており、花柄が合着したものであることがわかる。葉と花を別に付けるのではなく、花の柄を葉に合着させている。花や果実を付けていない場合にも葉の中央部までは葉脈が太いので、同定の目印となる。時に葉からではなく、葉腋から花柄を出して花を咲かせることがある。

 葉が果実とともに水面に落ちて、流れていく水散布であれば面白いが、実際にやってみても笹舟のようにはいかず、果実が稔るのは夏なので、もちろん果実と共に葉が落ちることは無い。見事な液果なので、鳥散布であろうし、葉の上の黒紫の果実はよく目立つに違いない。

5枚の花弁の雌花ハナイカダの果実
ハナイカダの♂花紫色を帯びる冬芽
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