世界と報道の「いま」語る／ＮＨＫ河野さん講演

　香川県三豊市財田町出身でNHK「ニュースウオッチ9」のキャスターを務める河野憲治さんの講演会が5日、観音寺市内であり、約350人がニュースの最前線で活躍する河野さんの話に耳を傾けた。

　講演会は、文化の力で地域を活性化しようと、2008年10月に発足した三豊・観音寺の文化を育む会（高岡令子会長）が、地元出身者を招いて開いており、今回で15回目。河野さんの母校の観音寺一高の生徒約50人も特別招待した。

　河野さんは京都大を卒業後、NHKに入局。沖縄放送局を経て、報道局で国際報道に携わり、ワシントン、ロサンゼルス、テヘラン支局に通算15年余り駐在。3月30日から「ニュースウオッチ9」のメーンキャスターを務めている。

　「世界のいまを伝える」と題して講演した河野さんは、番組やワシントン支局長時代に行ったオバマ大統領との単独会見の裏話を紹介したり、これから本格化する米大統領選の行方を長年の海外取材で培った視点で解説したりしながら、ジャーナリストの醍醐味（だいごみ）を披露。会場の高校生には「機会があれば、ぜひ留学し、自分がこれまで見てきた世界がいかに狭いか気付いてほしい」などと訴えた。

　同高1年の宮下恭輔君（15）は「国際社会で働きたい夢がある。放送部にも所属しており、放送の裏話が聞けて興味深かった」と話し、3年の白川幸奈さん（17）も「世界を見てきた先輩の話が聞きたかった。大学に進んでも広い視野で考えたい」と振り返った。