2009/07/04 07:30
デビュー40周年記念アルバム「ペルソナ」について語る歌手のカルメン・マキ
故寺山修司さん作詞の「時には母のない子のように」でデビューしてから40年。歌手のカルメン・マキが、デビュー40周年記念アルバム「ペルソナ」を4日にリリース。寺山さんとの思い出や歌にかける情熱などを語ってくれた。
デビューのきっかけは、高校中退後に寺山さんが主宰していた劇団「天井桟敷」に入団したこと。歌手になるつもりはなかったが、寺山さんから「マキは芝居より歌の方が向いている」と勧められて1969年、「時には−」を歌うことに。
ロングヘアーと大きな瞳が印象的な17歳の少女がアンニュイに歌う曲は、学生運動の時代、東大安田講堂の封鎖が解除された直後に発売され、大ヒットを記録。たちまち時代の寵児となったが、寺山さんに会うたびに「こんなはずじゃなかった。もっと芝居がやりたい」と不満をぶつけていたという。
「寺山さんはこんな小生意気な娘を相手に1時間も2時間も話を聞いてくれた。でもものすごく雄弁で、いつのまにか丸め込まれていた」
その後、レコード会社の社長から誕生日プレゼントでもらったジャニス・ジョプリンらのレコードを聴き、「天井桟敷の芝居を初めて見たときと同じぐらいの衝撃」を受け、ロックの世界に転向。いくつかのバンド活動やソロ活動を経て、現在は事務所に所属せず、ライブハウスなどを中心に活動、ジャンルを超えた音楽に取り組む。
今回のアルバムでは、寺山さん作詞の「戦争は知らない」から最近の曲まで計10曲を収録。「寺山さんも、こんなに長く歌い続けているとは思わなかったんじゃないかな」とほほ笑みながら、「40年を一言では言い表せないけど、今でも歌を歌えること、そして聴いてくれる人がいることに感謝したい」と語る。
アルバム発売に合わせ、北九州や京都、神戸、甲府などをまわるツアーも開催中で「CDをきっかけに、ぜひ生のライブで、今のカルメン・マキを聴いてほしい」と話している。